著者
保田 奈緒美 下坂 浩則 大久保 滋夫 池田 均 矢冨 裕
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.727-736, 2015-11-25 (Released:2016-01-10)
参考文献数
15

特異的IgE抗体測定試薬「アラスタット3gAllergy」の基本性能と有用性を評価した。同時,日差再現性は良好であり,最小検出感度も0.048~0.061 IUA/mLと良好であった。希釈直線性は低濃度から高濃度域まで良好な直線性が得られた。さらに,28種のアレルゲン特異的IgE抗体についてイムノキャップとのデータ比較検討を行ったところ,2法の相関性は全てにおいてスピアマン順位相関係数0.7以上と高い相関性が認められたが,ネコ上皮・皮屑,アスペルギルスおよび卵白でアラスタット3gが高値傾向となり,イヌ皮屑,小麦およびピーナツでイムノキャップが高値傾向となるなど,アレルゲンによる測定値の特徴が認められた。