著者
坪口 晋太朗 矢島 隆二 樋口 陽 石川 正典 河内 泉 小山 諭 西澤 正豊
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.477-480, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3

症例は54歳女性で,緩徐に進行する歩行障害と構音障害を呈した.左乳癌に対して乳房切除術と癌化学療法を受け,神経症候の進行は術後一旦停止していたが,小脳性運動失調が再び増悪した.頭部MRIでの小脳半球の萎縮,血清Yo抗体陽性,乳癌の既往より傍腫瘍性小脳変性症(paraneoplastic cerebellar degeneration; PCD)と診断した.CTで指摘された左腋窩リンパ節の廓清と癌化学療法の変更に加え,免疫グロブリン大量療法を行った結果,神経症候は改善し,独歩可能となった.亜急性の経過と治療反応性の不良が特徴とされるYo抗体陽性PCDにも,緩徐進行性で治療反応性が良好な非典型例があることを報告した.
著者
滝沢 光男 矢島 隆二 林 昌亮 坂口 孝
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.311-314, 1978-07-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

市販のプラスチック膜 (パラフィルム) を用いた微量測定法により, ラットのプロトロンビン時間を測定しQuickの方法による生理値と比較したとき, その相関係数は0.951と非常に高く, 本微量法は血液凝固能を検索する上で有効であることが確かめられた。またその応用例として, 名種実験動物におけるプロトロンビン時間について本法により検討したところ, ウサギの正常値は9.8秒と最も短かく, 次いでイヌ, マウス, ネコ, ラットの順に長くなり, その正常値はそれぞれ12.5, 13.3, 14.8, 16.0秒であり, モルモットの場合が最も長く25.3秒であった。