著者
矢邉 洋和 梅澤 秋久
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.294_2, 2016 (Released:2017-02-24)

2009年の米国教育省は、オンライン学習の効果を対面状況と比較した上で報告し、中央教育審議会答申(2012)では、これからの時代を見据え、「教室外学修」の重要性を説いている。本研究では、小学校4年生の体つくり運動において、オンラインストレージを用いた家庭での動画視聴(以下家庭での動画視聴)による反転学習型の授業を実践した。保護者へのアンケートおよびインタビューによる分析を通して、家庭での動画視聴におけるメリットとデメリットが示唆された。6回の動画配信のうち、保護者も平均5.4回視聴し、平均3.3回は、子どもと一緒に動画を見ていた。動画を一緒に見ながら、「学習へのアドバイス」や「称賛」、「学習内容への質問」といった会話が生まれる傾向が認められた。保護者自身の動画視聴への「楽しみ度合」と、「授業のねらいへの理解」、「1時間ごとの子どもの変化への気づき」、「負担感のなさ」に統計的に有意な相関関係が認められた(p<0.05)。ネットワーク自由記述およびインタビュー分析にはテキストマイニングソフトKH Coderを用い、分析を行った。