- 著者
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石井 真史
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.10, pp.827-832, 2012-10-05 (Released:2012-11-06)
- 参考文献数
- 10
1000℃ を超える高温における物理・化学特性を分析する新しい手法として,火を用いる複素インピーダンススペクトロスコピー(OTD-CIS, over thousand degree centigrade complex impedance spectroscopy)を提案する.火は電気伝導を持つため,それを加熱と共に電気プローブの目的に使用するのが基本的アイディアである.一方で火は理想的な導体ではないため,直流と交流特性のそれぞれを考慮して,条件の選択や解析上の処理が必要になる.直流では,火の整流性の影響を回避するため,バイアスを印加して電流-電圧特性が線形となる領域を選択する.交流では,火の正イオンの応答特性を除去するため,差分解析を行う.これらの措置により,酸化アルミのOTD-CISスペクトルが得られた.スペクトルの解析により,抵抗率はOTDでも減少し続けるのに対し,誘電率は室温から変化しないことを示した.