著者
石垣 一彦
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.340-344, 1981

当院外来に通院治療中のてんかん患者のうち結婚歴のある者25名(男性9名, 女性16名)につき多面的角度から結婚生活の状況を調査し報告した. 結婚生活の適応状況は概して女性の方が良く, 家庭における役割, 就業状況なども男性に比べ良好であつた. 発作未消失者性格変化のある者は約半数に認められたが, その程度内容が問題になると考えられた.<br>子供を有している者が多かつたが, 遺伝学的配慮, 疾病の妊娠分娩への影響, 薬物服用による胎児への影響などについて十分考慮されていないと思われた.<br>療養態度については比較的真面目であり, 患者家族共に病気を克服するためのいろいろな工夫をこらしていた.
著者
石垣 一彦 矢加部 茂 竹尾 貞徳 前川 宗一郎 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.325-328, 1986-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
10

精神障害者同士の結婚例12組について, 主として社会適応面から調査し報告した.1) 病名は夫婦とも精神分裂病である組合せが7組で, 12組のうち11組の両方あるいは片方の患者は分裂病者であつた.2) 結婚の様式は恋愛結婚6組, 見合結婚5組で, 見合結婚の経過が良好であった.3) 結婚の動機として, 男性では長子, 祭 主宰者としての役割を期待され, 女性では親の老令化, 同胞の世話になりたくないため結婚している者が多かつた.4) 社会適応状況は男性より女性の方が良好であつた.5) 結婚から現在までの経過は安定型, 不安定維持型, 挫折型の3つに分類出来た.