著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.94, no.229, pp.49-56, 1994-09-13
被引用文献数
20

1996年1月を期限とする各国の法制化に向けて、CISPRは最新版のpub.16-1(1993)「無線妨害とイミュニテイ測定装置」を公開した。その内容を検討したところ、"測定アンテナの種別と性能の規定""NSA(正規化サイトアッテネーション)規格表"をはじめ、多くの誤りや内部矛盾の存在が判明した。本論文は、勧告の承認に伴う国内と国際的な混乱を避けるため最小限必要な改訂提案ならびに、直ちに実行できる効果的な改善方法として、「NSG(正規化サイトゲイン)の導入」、「自由空間型サイトの採用と適合性判定基準」の追加提案を行った。
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.94, no.229, pp.57-64, 1994-09-13
被引用文献数
24

CISPR22の最新版(1993)が公表された。ところが、この内容には、「妨害波限度値の規定が、浮動的で、ITE設置高により10dB以上の偏差が生じる」「NSA規格の算出方法が不適正」、「限度値の距離換算法に誤りがあり、6〜8dB誤差が伴う」という重大な欠陥がある。これらは、CISPR16-1による『金属床面を構成要件とする標準サイト』のかかえる宿命的欠陥で、サイトの伝搬型式を一歩でも《自由空間》に近付けなければ、解決できる問題ではない。本論文は、CISPR22(1993)の内包する矛盾を明らかにし、既存のCISPR型サイトの救済方法を示すと同時に、抜本的な解決策として、「完全電波暗室」、「オープンフリーサイト」等の《自由空間型サイト》を"標準サイト"として公認するように提案するものである。
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.359, pp.1-8, 1995-11-16
被引用文献数
21

情報技術装置(ITE)の放射妨害(EMI)限度値規格は、CISPR 22(1993)に改定勧告案が示されているが、ITE設置高・測定距離・偏波により、10〜20dBの偏差を生じ、規格自体が安定しない欠陥がある。例えば、EMI測定値の検定のために「3m法 半電波暗室(金属床面)」と「1Om法CISPR勧告型オープンサイト」の相関を求めることは、事実上、不可能に近い。これは、放射妨害限度値規格を自由空間で定義し、「自由空間型サイト(オープンまたは完全電波暗室)を使用することにより容易に解決できる。すでに、EMS(イミュニティー)試験や1GHz以上のEMI測定は、「自由空間型サイト」の使用が前提になっており、それらとの整合性の見地からも、現行規格の見直しが必要である。なお、CISPR 22(1993)の限度値換算法の誤りは、FCC OST 55(1982)の技術根拠の誤りに起因し、それが訂正されずに継承されてきた結果であることを論証した。
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 吉村 和昭 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬 賀来 壽一 海野 幸次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.314, pp.73-80, 1996-10-18
被引用文献数
18

過去10年来, CISPRは,「EMI(放射妨害波)測定法の合理化」を最重要課題に挙げてきたが, 依然として未解決のままである. すなわち, 1991年のEMCシンポジュウム(チューリッヒ)では, IBM社が, 全世界の優良34サイトについて3m法の比較試験を実施し, EMI電界測定値に約10 dBのバラツキがあることを公表した. 1994年の会議(北京)では, ドイツが, 同じく6サイトについて10dB以上の差異を検出, CISPR測定法の不適合性を指摘した. 最新の1995年の会議(ダーバン)では,「EMIテストサイトと測定法の問題点と理論的検討」があらためて各国に要請された. 本論文は, それらに対応して,「3m法を含むCISPR勧告型サイトの相関係数が不確定で, 容易に10db以上の誤差が生じる理由を理論的に証明」, また, 「放射妨害波限度値ならびにサイトの自由空間化のみが唯一の解決手段」であることを示す.
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 亀島 昭徳 木下 敏雄 鈴木 直喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.26, pp.1-8, 1999-04-23
被引用文献数
11

EMC計測用アンテナの較正法は、ANSI C63.5の水平偏波(HP)による「標準サイト法(SSM)」が世界的に普及しているが、この欠点を改善するとしてCISPRに提案されたのが日本(郵政省通信総合研究所;CRL)の「改良標準サイト法」である。これに、近年(1996)CENELECが「中高アンテナ垂直偏波(VP)法」を提案、ANSIと対立する形になった。これらと、古典的な自由空間型アンテナ較正サイトを低高度で実現する「Uサイト法(HP, VP)」を併せて、理論と実用の見地から利害得失を比較した。その結果、アンテナ較正用サイト(CALTS)としては、金属床面を使用する「標準サイト法(ANSI)」と「改良標準サイト法(CRL)」は原理的に不適性で、自由空間近似の「中高アンテナVP法(CENELEC)」と「Uサイト法」が適合すること。送受信アンテナ間の実効反射係数を0.1(-20dB)以下にすれば、アンテナ係数の較正誤差を1dB以下にできることを示した。