著者
渋谷 茂一 石塚 春雄 亀島 昭徳 木下 敏雄 鈴木 直喜 安藤 秀哉 吉村 和昭 鈴木 喬 大野 豊 賀来 壽一 海野 幸次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.97, no.382, pp.47-54, 1997-11-20
被引用文献数
17

1997年11月、CENELECは、EVI用完全電波暗室(自由空間型)の標準化草案を作成した。これは、現行の「CISPR16-1勧告による金属床面式サイト」がもつ幾多の本質的欠陥(電気的性能、利用性)の救済に役立つものである。この草案は、近くIEC/CISPRに上程され、たとえ日本等の反対があっても可決される国際動向といわれる(孤立は、電子機器製造産業全般に重大な影響をもたらす)。本論文は、野外式のオープンフリーサイト(OFTS;Open Free Test Site)と屋内式の完全電波暗室(FAC;Fully Anechoic Chamber)を包括する「自由空間型サイト(FSTS;Free Space Test Site)」に関して、一般的な必要条件、適合性評価方法、放射妨害(EMI)測定法、放射妨害限度値について述べる。なお、CENELECの草案には、CISPR16-1による「正規化アッテネーション(NSA;Normalized Site Attenuation)」と「アンテナ係数(AF;Antenna Factor)」の概念がそのまま引用されており、合理化の妨げになっているので、この、改善のために「正規化サイト利得(NSG;Normalized Site Gain)」と「有能アンテナ係数(AAF;Availab15 Antenna Factor)」を定義した。現行CISPR型サイトに対する自由空間型サイトの優位性(電気的性能、利用性、経済性)は圧倒的なので、国際的合意さえ得られれば、現在の、金属床面式のオープンサイドと半電波暗室は、遠からず自然淘汰されることになるであろう。
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 亀島 昭徳 木下 敏雄 鈴木 直喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.26, pp.1-8, 1999-04-23
被引用文献数
11

EMC計測用アンテナの較正法は、ANSI C63.5の水平偏波(HP)による「標準サイト法(SSM)」が世界的に普及しているが、この欠点を改善するとしてCISPRに提案されたのが日本(郵政省通信総合研究所;CRL)の「改良標準サイト法」である。これに、近年(1996)CENELECが「中高アンテナ垂直偏波(VP)法」を提案、ANSIと対立する形になった。これらと、古典的な自由空間型アンテナ較正サイトを低高度で実現する「Uサイト法(HP, VP)」を併せて、理論と実用の見地から利害得失を比較した。その結果、アンテナ較正用サイト(CALTS)としては、金属床面を使用する「標準サイト法(ANSI)」と「改良標準サイト法(CRL)」は原理的に不適性で、自由空間近似の「中高アンテナVP法(CENELEC)」と「Uサイト法」が適合すること。送受信アンテナ間の実効反射係数を0.1(-20dB)以下にすれば、アンテナ係数の較正誤差を1dB以下にできることを示した。