著者
吉田 恵子 飯村 裕子 野口 元子 石島 恵美子 荒田 玲子 渡辺 敦子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.99-106, 2021

<p> 茨城県では家庭料理として,けんちん汁をそばやうどんにかけたり,つけたりして食べることが知られているが,その詳細は明らかではない。そこで,「過去」(昭和30~40年代)と「現在」(2016年)とのけんちん汁の食べ方の変化を明らかにすることを目的とし,茨城県食生活改善推進員を対象に,喫食状況,具,だし汁,調理方法についてアンケート調査を行った。さらに,けんちんそば・うどんについては食べる機会や喫食形態,頻度についても比較した。その結果,「過去」ではけんちんうどんで食べた人が多かったが,「現在」はけんちんそばで食べる人が増加した。使用する具材やだし汁も変化し,「現在」では,作り方が簡便化し調味も多様化していた。また,日常食としても行事食としてもけんちんそば,うどんを食べる人は減少した。以上より,けんちん汁の食べ方や調理方法が,現在の食習慣に影響を受けて変化していることが明らかとなった。</p>