著者
石川 靖晃 西尾 浩志 八木 洋介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00003, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では,3次元的に任意形状を有するコンクリート構造にPC鋼材によりプレストレスを導入する際に,摩擦によって生じる緊張力減少,PC鋼材の任意の形状配置による腹圧力などを精度よく考慮可能な緊張解析手法を開発した.本提案手法の開発により,コンクリートの変形を考慮した緊張端でのPC鋼材の抜け出し量の計算が可能となり,セット量による緊張力緩和の影響が合理的に考慮されることになった.実橋の張出架設のPC緊張事例やヘリカルな曲面を有するPC構造に対して提案方法による解析を行い,提案手法の妥当性および初期ひずみ法適用の問題点を論じた.さらに実際のPCコンポ桁の緊張管理事例を基に,本提案手法により緊張管理図を作成し,従来の緊張管理図の作成方法の改善を検討した.
著者
石川 靖晃 伊藤 睦 荒畑 智志 河合 真樹 原 健悟
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.172-180, 2015
被引用文献数
1

打込み直後から補修・補強を含めた供用期間終了までのコンクリート構造物の保有耐荷性能を合理的にシミュレート可能な「コンクリート構造物建設工程シミュレータ」の開発が,LECOM研究会で10年間にわたって行われてきた。本稿では,本シミュレータの開発過程で得られた主な成果を紹介する。本シミュレータでは,従来別々であった初期損傷と保有耐荷力を計算するための解析コードを合理的に融合することに成功している。また,総エネルギー一定則の概念を導入することにより,化学変化による体積変化現象について従来の解析コードよりも汎用的にシミュレート可能である。加えて,パイプクーリング解析機能も従来のものに比べ,より強化されている。