著者
田村 淳 砂原 秀樹 加藤 朗 石戸 奈々子
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.1075-1086, 2021-06-23

現在の日本社会では,死と向き合うことが少なく,遺書というものは敬遠されている.これまで遺書は死期の近い人が家族や親しい人たちのために遺す文書と考えられていたが,近年エンドノートなどの名称で思考もはっきりし身体も元気なうちに本人の意思を示したり,家族や親族,知人にメッセージを遺したりすることが考えられるようになってきている.著者らは,このように元気なうちに遺書を作成した際の作成者本人に及ぼす効果に着目し,新しい概念に基づく遺書という考え方を構築し,それらをサービスとして実現することを目指した.本研究では,遺書を作成することで作成者本人にどのような影響を及ぼすかについて調査を行い,それらの結果から遺書動画サービスITAKOTO を構築し提供を開始した.本稿では,特に遺書を作成することの効果の調査結果を示すとともに,構築したサービスを紹介し,また現状で明らかとなっている課題について議論する.
著者
石戸 奈々子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.616-623, 2016-12-01 (Released:2016-12-01)
参考文献数
5

2002年に設立したNPO法人CANVASは,デジタル時代の子どもたちに,ワークショップなどの創る場,表現する場を提供し続け,これまでに約35万人の子どもたちが活動に参加している。「主体的で協働的で創造的な学びの場」を普及させるため,国内外の科学館や教育工学系の研究者,アーティストや自治体,企業らが集うプラットフォームとして活動を続けている。また,活動の一環としてCANVAS設立時から,プログラミング学習にも取り組んできた。現在,1,000年に一度の変革ともいえるデジタル革命を迎え,現代の子どもたちは,「今までにない仕事」を自らつくり出してゆく能力が求められている。CANVASは,プログラミング学習を通じ,論理的に考え,問題を解決する力,他者と協同し新しい価値を創造する力を養ってほしいと願っている。