著者
加藤 朗
出版者
桜美林大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

人造硝石作りの第一工程である硝酸塩の製造は堆肥作りと全く同じであり、世界中で硝酸塩の存在は長い農業の経験の中から培われた知識で皆が知っていたと思われる。第二工程である灰汁煮によって硝酸塩から硝酸カリウムを抽出するのは予想以上に難しいことが分かった。硝酸カリウムを精製するにはカリウムを含んだ大量の木灰が必要だということが明らかになった。人造硝石は農業と密接な関係があるとの結論を得た。
著者
藤崎 智宏 松本 存史 加藤 朗
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.1-6, 2009-10-02

IPv4 アドレスの在庫枯渇が目前に迫っており,対応が急務である.長期的な対応策としては IPv6 の導入が挙げられるが,既存の IPv4 インターネットの延命も必要となる.延命策としては,ISP レベルでの LSN (Large Scale NAT) の導入が想定される.ISP レベルに NAT が設置されると,ユーザ宅内に NAT がある場合には,NAT が多段になることになり,効率的な通信が阻害されるか場合がある.本稿では,多段 NAT 環境における問題点を指摘し,通信の最適化手法を提案する.Today, the Internet is widely used in varied ways, and lots of devices are connected. Because of this expansion of the Internet, IPv4 address will run out in a few years, and countermeasures are discussed in all over the world. Solution of this address run out will be to introduce next generation Internet Protocol, IPv6, however, it will take some time and need to expand the IPv4 lifetime. Introducing provider level NAT is one solution, however, there will be many problems to implement NAT in the ISP network. In this paper, we describe some problems to deploy ISP level NATs, and propose efficient IPv4 communication optimization technique in the multiple NATs environment.
著者
秋山 寛子 和田 昌昭 中山 雅哉 加藤 朗 砂原 秀樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.2675-2681, 2016-12-15

プライバシ保護の観点から匿名化技術の重要度が高まっており,なかでもk-匿名化が活発に研究されている.k-匿名化のためのアルゴリズムとしてはMDAVやVMDAVなどが提案されているが,数値データの匿名化において,それらは情報損失の観点から必ずしも最良のものとはなっていない.本論文では,それらのアルゴリズムによって得られたデータの分割を,k-匿名性を保ったまま修正して情報損失を極小にする方法を提案する.またそれを実装して,いくつかのデータセットに適用し評価を行う.データ総数をkで割った余りが大きい場合の多くで,MDAVやVMDAVによる情報損失を提案アルゴリズムにより改善可能である.また,提案アルゴリズムは,データ総数によらず高速に実行可能である.
著者
加藤 英寿 堀越 和夫 朱宮 丈晴 天野 和明 宗像 充 加藤 朗子 苅部 治紀 中野 秀人 可知 直毅
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-29, 2008-03
被引用文献数
1

2007年6月、東京都環境局と首都大学東京は南硫黄島自然環境調査を実施した。南硫黄島で山頂部を含む上陸調査が行われたのは1982年以来25年ぶり、史上3回目である。その厳しく危険な自然環境故に、調査時の安全確保が最大の課題となったが、現地情報がほとんど無い中での計画立案はほとんど手探りの状態で、準備も困難を極めた。また貴重な手つかずの自然を守るため、調査隊が南硫黄島に外来生物を持ち込まない、そして南硫黄島の生物を持ち出して父島などに放さないための対策にも細心の注意を払った。幸いにして今回の調査では事故もなく、数多くの学術成果を得て帰ってくることができたが、調査隊が経験した困難・危険は、通常の調査では考えられないことばかりであった。よって今後の調査の参考となるように、今回の調査を改めて振り返り、準備段階から調査実施までの過程について、反省点も含めてできる限り詳細に記録した。
著者
田村 淳 砂原 秀樹 加藤 朗 石戸 奈々子
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.1075-1086, 2021-06-23

現在の日本社会では,死と向き合うことが少なく,遺書というものは敬遠されている.これまで遺書は死期の近い人が家族や親しい人たちのために遺す文書と考えられていたが,近年エンドノートなどの名称で思考もはっきりし身体も元気なうちに本人の意思を示したり,家族や親族,知人にメッセージを遺したりすることが考えられるようになってきている.著者らは,このように元気なうちに遺書を作成した際の作成者本人に及ぼす効果に着目し,新しい概念に基づく遺書という考え方を構築し,それらをサービスとして実現することを目指した.本研究では,遺書を作成することで作成者本人にどのような影響を及ぼすかについて調査を行い,それらの結果から遺書動画サービスITAKOTO を構築し提供を開始した.本稿では,特に遺書を作成することの効果の調査結果を示すとともに,構築したサービスを紹介し,また現状で明らかとなっている課題について議論する.
著者
大川 恵子 泉山 英孝 加藤 朗 村井 純
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.51-57, 2001-01-15

次世代インターネットに向け,IPv6技術を核として,高速広帯域での高機能な転送,マルチキャストアプリケーション,多様なメディア転送などの新しい技術の研究開発が進められている.WIDEプロジェクトは1997年から,インターネット上の大学環境SOI(School of Internet)を開発構築してきた.
著者
河野 淳 加藤 朗夫 田中 豊 小泉 理華子 舩坂 宗太郎 間 三千夫
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.51-56, 1994-02-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Full dynamic range compression (FDRC) 補聴器“ED2”は会話音声の音圧レベルにおいて等しく圧縮がかかる。 この論文では, 提示音圧レベルを変え“ED2”の圧縮比と語音聴取能 (単語了解度) の関係について検討した。 対象は11名20耳の軽度-中等度難聴者。 圧縮比 (1:1, 1.5:1, 3:1), 音声の提示音圧 (50, 65, 80dBA), 提示音声には各条件25個の単語を使用した。 単語了解度の平均は, 50dBAの1:1, 1.5:1, 3:1それぞれで43.1, 77.6, 84.3%, 65dBAではそれぞれ78.8, 90.8, 93.6%, 80dBAではそれぞれ89.2, 93.0, 90.1%であった。 提示音圧50, 65dBAの圧縮比1:1と1.5:1の間にそれぞれT検定にて危険率0.01%, 1.55%の有意差がみられた。 提示音圧が低い場合, 圧縮比を増し, 鼓膜面音圧を大きくすることにより有意に単語了解度が向上し, 補聴器“ED2”におけるFDRCの有効性が示唆された。
著者
加藤 朗
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.42-58, 2008

<p>「新しい戦争」であるテロには3つの越境性がある。第1は航空機の発達,国境管理,国境線の変化に伴う越境性。第2はメディアの発達やインターネット革命による物理的空間と心理的空間の境界を越える越境性。第3はグローバル権力圏とグローバル親密圏双方の圏域を越え,両者を架橋するグローバル公共圏へ越境する越境性。</p><p>こうした越境するテロに対応するために,越境するガバナンスに基づく安全保障が必要不可欠である。それには2つある。1つは国家安全保障として,国家中心の多国間協調ガバナンスに基づくテロ対策。具体的にはテロの3つの越境性に即して国境管理の強化,メディアの管理そして国際法および国内法の法整備を多国間か協力して実施する。今1つは人間の安全保障として,国家のみならす非国家体も含めた類的存在としての人間中心の多主体間協調ガバナンスに基づくテロ対策。国家や地域を超えてグローバル社会に拡大するグローバル公共圏の非市民的公共圏のサバルタンと市民的公共圏の市民との間の人間の発展格差の解消をめざす。具体的には国家に代わる主権主体が国家間の古典的国際法に代わるコスモポリタン法を制定して国家の軍隊や警察に代わる武装民間組織が法を執行する。このテロ対策が実現するにはなお年月を要するが,現実にはその萌芽は国連の権威化,国際刑事裁判所の設置,民間軍事会社の出現等に垣間見ることができる。</p>
著者
三上 章允 西村 剛 三輪 隆子 松井 三枝 田中 正之 友永 雅己 松沢 哲郎 鈴木 樹里 加藤 朗野 松林 清明 後藤 俊二 橋本 ちひろ
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第22回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.90, 2006 (Released:2007-02-14)

大人のチンパンジーの脳容量はヒトの3分の1に達しないが、300万年前の人類とほぼ同じサイズである。また、脳形態とその基本構造もチンパンジーとヒトで良く似ている。そこでチンパンジー脳の発達変化をMRI計測し検討した。[方法] 霊長類研究所において2000年に出生したアユム、クレオ、パルの3頭と2003年に出生したピコ、計4頭のチンパンジーを用いた。測定装置はGE製 Profile 0.2Tを用い、3Dグラディエントエコー法で計測した。データ解析にはDr_View(旭化成情報システム製)を用いた。[結果] (1)脳容量の増加は生後1年以内に急速に進行し、その後増加のスピードは鈍化した。(2)大脳を前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けて容量変化を見ると前頭葉の増加が最も著明であった。(3)MRIで高輝度の領域の大脳全体に占める比率は年齢とともにゆっくりと増加した。[考察] チンパンジーとヒトの大人の脳容量の差を用いてチンパンジーのデータを補正して比較すると、5歳までのチンパンジーの脳容量の増加曲線、高輝度領域に相当すると考えられる白質の増加曲線は、ヒトと良く似ていた。今回の計測結果はチンパンジーの大脳における髄鞘形成がゆっくりと進行することを示しており、大脳のゆっくりとした発達はチンパンジーの高次脳機能の発達に対応するものと考えられる。
著者
村井 純 水野 勝成 三谷 和史 加藤 朗 山口 英 石田 慶樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.205-206, 1994-09-20
被引用文献数
6

インターネットの発展とともに、知識や情報を共有する応用は一対一型の通信を基盤とした応用と比べて著しく増加している。例えば、WWWの利用による情報の共有、nv(Net Video)、VAT(Visual Audio Tool)といった会議システムが挙げられる。また、インターネットの地理的に普遍的な接続に対する要求が高まっている。これらの傾向によって生じる課題は、一対多型の通信媒体を有効に利用することによって解決が期待できる。そこで、衛星ネットワークと従来の地上網を融合し、衛星通信のもつ地理的普遍性や同報性などの特徴を用いて、インターネットの新しい課題の解決を目的とするネットワーク構築実験であるWISH(WIDE Internet with Satellite Harmonization)を開始した。WISHの構成は、送受信地球局が図1に示すように6地点、7局(奈良は2局)で、7つの周波数帯域を使用する。各局には1.8mφのアンテナを設置し、切り替えが可能な送受信周波数で出力2W、最大2Mbpsの速度で通信が出来る。これら地球局は衛星網を形成するだけでなく、各所で地上網と接続されている。
著者
平木 敬 稲葉 真理 中村 誠 玉造 潤治 西村 亮 青嶋 奈緒 Felix Marti Wael Noureddine 来栖 竜太郎 坂元 眞和 古川 裕希 生田 祐吉 加藤 朗 山本 成一 長谷部 克幸 根尾 美由紀 稲田 友 村上 満雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.1-6, 2005-04-13

2004年10月から12月にわたり実施した、超遠距離TCPシングルストリーム実験の実験環境、実施状況を述べ、実験結果を示す。その結果、TCP層とデータリンク層が適切に協調することにより、超遠距離のTCPシングルストリーム通信速度が、ネットワークの端点にあるサーバのバス(PCI-Xバス)で決定され、TCP方式自身は通信のボトルネックでないことが示された。これは、今後の超高速ネットワークの利用にとり重要な結果である。