著者
及川 栄作 キン チダリン 遠藤 剛 及川 胤昭 石橋 良信
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.373-379, 2003-11-14 (Released:2011-06-27)
参考文献数
12

Isolation of bacteria which could decompose styrene and polystyrene as carbon source was achieved to actualize the biological zero emission treatment of expanded polystyrene. Isolated microorganisms by 16S ribosomal DNA analysis were Pseudomonas sp. and Bacillus sp. for styrene decomposition, and Xanthomonas sp. and Sphingobacterium sp. for polystyrene decomposition. Especially, Bacillus sp. STR-Y-O strain decomposed both styrene and polystyren. Styrene and polystyrene were reduced 40%(9g) and 56%(34g) of initial concentrations (quantity), respectively, in 8 days by strain STR-Y-O. The result is the first report for polystyrene biodegradation. It became possible that limonene melted expanded polystyrene, and styrene and polystyrene as melting matter were decomposed by the isolated microorganisms. In a series of experiments, the possibility that the zero emission process of expanded polystyrene was shown by those microorganisms.
著者
今野 和 多田 早奈恵 LAOHASIRIWONG Wongsa PITAKSANURAT Somsak 韓 連熙 林 正幸 石橋 良信
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.172-183, 2017

アンケート調査は,洪水時における避難所での保健衛生への意識と行動,医療,健康状況などを知る目的に,タイ国コンケン地方の3つの村,計393人を対象に実施した.聞き取りは2014年に行い,回答は過去5年間の集計である.集計,解析の結果,健康に対して,村人のほとんどは医療保険に加入し,また,健康増進に心がけていた.洪水の期間には水虫,足白癬,結膜炎,低い割合での下痢症がみられ,レプトスピラ症は2件報告された.村人は伝統医療を重んじる傾向があるが,避難所には医師と看護師が巡回しており,医薬品も常備されていた.このような状況から重病患者はみられていない.<br>認識や考え方,実践を含む保健行動において,村人は一般に衛生に対して高い知識をもっていると考えられる.一方,死んだ動物の処分、下痢症の予防や眼病への備えのような概念については正しい知識を有しておらず,村人は病気に罹患する原因,知識の修得が必要である.<br>避難所における飲料水は,ボトルドウォーター,雨水,村落ごとにある小規模水道の水道水である.この水道水は高い割合で大腸菌群数(TCB)や糞便性大腸菌(FCB)が混入しており,残留塩素も検出されていない.TCBやFCBが検出されることは,腸内病原微生物の汚染を意味する.したがって,水源河川の汚濁の低減化に努めるとともに,村人は水道水の汚染問題を深刻に受け止める必要がある.さらに,洪水の水は食器類の洗浄,洗濯に使われており,衛生状況は劣悪である.<br>結論として,洪水期間中では,一般的な洪水時にみられる疾病を加味しても村人の健康状態は概ね良好であった.しかし,村落の小規模水道の浄化方法の徹底とともに,今後,衛生に関する知識と生活習慣の改善を求めていく必要性があることがアンケート調査から明らかになった
著者
石橋 良信 真野 明
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

昨年に引き続き、主にヒ素溶出要因解析、細胞表層工学によるヒ素除去およ癩轟地下水取水時のヒ素輸送解析を試みた。装置実験から・有機物としての下水汚泥の含有量の増加に伴い、ヒ素の溶出量が増える傾向が認められた。また、酸化還元電位が-80mV付近で最もヒ素が溶出することを再度確認できた。なお、2価鉄とヒ素溶出およぴ炭酸水素イオン濃度とヒ素溶出の明確な関連性はみられなかった。一方、モデル解析にも必要な、水中から土中へのヒ素の吸着量と土中から水中へのヒ素の溶出量の平衡状態時における分配係数としてバングラデシュでの浅い帯水層とオーダー酌に近似する値κ_Δ0.69×10^<-7>(m^3/mg)を得た。細胞表層工学を適用した実験では、pTV118N+lamB-arsRプラスミドを作製し、70%以上のヒ素除去がみられたが、再度lamB、arsRが適正に挿入されているかを確認する課題が残った。さらに、バングラディシュでは将来、ヒ素汚染の著しい30m付近の浅層地下水を避け、現時点でヒ素汚染の少ない深井戸が主な水源になると予想される。したがって、深度別の帯水層の取水に伴うヒ素輸送を、現地データを用いてモデル解析を試みた。浅い帯水層でのヒ素濃度は長い年月の間に徐徐に低下する傾向にあるが、深い帯水層では次第に高濃度になり、ヒ素の吸脱着反応が平衡になるまでの時間スケールを5年と推定した計算例では100年後には70mの帯水層までヒ素汚が進むと見積もられた。