- 著者
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山口 智子
石田 晴香
小谷 スミ子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.50, 2010 (Released:2010-08-27)
【目的】近年、日本人は脂肪の取り過ぎの傾向にあり、揚げ物などの摂取を避ける人が増加している。揚げ物は、衣の適度な焦げと独特の香りが食欲をそそり、旨味成分やビタミン類などの損失が少ない利点があり、健康を考えた揚げ物への関心が高まっている。そこで本研究では、近年開発された米粉パンから製造した米パン粉のフライ調理過程におけると吸油率と物性変化を測定することで健康志向にかなった製品となりうるのかどうかを検討することを目的とした。
【方法】試料は市販の米パン粉(生2種、乾燥2種)と小麦パン粉(生4種、乾燥4種)を用いた。水分は常圧乾燥法(105℃)で、吸油率は全国パン粉工業協同連合会2008による簡易測定法で、テクスチャーは(株)山電製卓上型物性測定器TPU-2S(B)を用いて測定した。また、米パン粉と小麦パン粉を用いたエビフライについて、5段階評点法による官能評価を行なった。
【結果】180℃で2分間の揚げ調理操作をしたパン粉の吸油率は米パン粉29.3~50.9%、小麦パン粉47.3~81.9%となり製品により大きく異なったが、米パン粉の吸油率は小麦パン粉より低いことが明らかとなった。硬さは製品により差が大きく、米パン粉と小麦パン粉の相違は認められなかった。吸油率の低い米パン粉と有意に高い小麦パン粉を選んで揚げたエビフライの官能評価では、総合的に有意差は認められなかった。以上の結果から米パン粉は小麦パン粉より吸油率が低く健康志向にかなった製品と考えられる。