著者
平澤 匡介 齊田 光 高田 哲哉 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_981-I_992, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
14

我が国の高規格幹線道路は限られた期間や費用で整備を進めるために,交通量が少ない区間は4車線のうち,2車線のみを暫定的に供用する方法を採用した.暫定2車線区間は大半がラバーポールと縁石による簡易分離であり,正面衝突事故が起きた場合は重大事故に至りやすい.寒地土木研究所では,2車線道路の正面衝突事故を防ぐために,支柱が細く,設置幅が少ない緩衝型のワイヤロープ式防護柵を開発した.本稿は,高規格幹線道路暫定2車線区間の中央帯にワイヤロープ式防護柵の導入を検討するため,暫定2車線区間の道路構造を試験道路で再現し,大型車のすれ違い走行試験や試験参加者の主観評価を行い,さらに,車両衝突時のはみ出し量を低減させるロープ連結材の開発について報告するものである.
著者
齊田 光 平澤 匡介 高橋 尚人 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1013-I_1022, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
11

路面において日陰となる時間(日陰時間)が長い区間では,路面凍結や積雪などが生じやすいため冬期の交通事故発生率(事故率)に影響を及ぼしている可能性がある.そこで本研究では,日陰時間と事故率の関係について,札幌市内の一般国道を対象として検証を行った.検証の結果,冬期は日陰時間が長い地点で事故率が大きくなる傾向にあり,冬期の日陰時間増に伴う事故率の増加率は夏期の約2倍であった.また,この傾向は交差点区間で顕著であり,冬期の日陰時間増加に伴う事故率の増加率は夏期の4倍以上に達することが明らかとなった.
著者
宗広 一徳 高田 哲哉 石田 樹 松田 武
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1339-I_1347, 2016

本研究は,「2+1車線」型道路の性能評価の実施に際し,サービスの質を表す指標として,平均旅行速度,追従車率及び追従車密度を取り上げ,付加車線の配置と得られるサービスに関する交通流ミクロシミュレーション及び実道での実測結果を報告する.路面状態は,乾燥路面と圧雪路面の2条件とした.評価指標として追従車密度を基に,積雪寒冷地2車線道路のサービス水準の構築を試行した.一定間隔で付加車線を設置することにより,乾燥路面時と圧雪路面時の両方で,2車線道路のサービスのレベルが改善することが示された.「2+1車線」型の整備が行われた国道40号更喜苫内道路(稚内市~豊富町)を事例研究とし,追従車密度を実測したところ,冬期の圧雪路面時においてもサービス水準Aが確保されていることが示された.