著者
平澤 匡介 武本 東 葛西 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1035-1044, 2010 (Released:2017-11-29)
参考文献数
9

中央分離帯がない2車線道路では、限られた空間を対向する車両が高速で移動するために、正面衝突による死亡事故が起きることがある。道路構造令では、特例として中央分離帯の設置が認められているが、費用が高額になるので、設置は限定される。ワイヤーロープ式防護柵は、支柱が細く緩衝機能があり、必要幅員も少ない。本稿は、緩衝機能を有するワイヤーロープ式防護柵を2車線道路の中央分離施設として導入するために、試験施工や性能を確認するための衝突試験を行い、道路構造令や防護柵設置基準等の適用性を検討し、日本における導入可能性を考察した結果を報告するものである。
著者
平澤 匡介 齊田 光 高田 哲哉 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_981-I_992, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
14

我が国の高規格幹線道路は限られた期間や費用で整備を進めるために,交通量が少ない区間は4車線のうち,2車線のみを暫定的に供用する方法を採用した.暫定2車線区間は大半がラバーポールと縁石による簡易分離であり,正面衝突事故が起きた場合は重大事故に至りやすい.寒地土木研究所では,2車線道路の正面衝突事故を防ぐために,支柱が細く,設置幅が少ない緩衝型のワイヤロープ式防護柵を開発した.本稿は,高規格幹線道路暫定2車線区間の中央帯にワイヤロープ式防護柵の導入を検討するため,暫定2車線区間の道路構造を試験道路で再現し,大型車のすれ違い走行試験や試験参加者の主観評価を行い,さらに,車両衝突時のはみ出し量を低減させるロープ連結材の開発について報告するものである.
著者
齊田 光 平澤 匡介 高橋 尚人 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1013-I_1022, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
11

路面において日陰となる時間(日陰時間)が長い区間では,路面凍結や積雪などが生じやすいため冬期の交通事故発生率(事故率)に影響を及ぼしている可能性がある.そこで本研究では,日陰時間と事故率の関係について,札幌市内の一般国道を対象として検証を行った.検証の結果,冬期は日陰時間が長い地点で事故率が大きくなる傾向にあり,冬期の日陰時間増に伴う事故率の増加率は夏期の約2倍であった.また,この傾向は交差点区間で顕著であり,冬期の日陰時間増加に伴う事故率の増加率は夏期の4倍以上に達することが明らかとなった.