著者
平澤 匡介 齊田 光 高田 哲哉 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_981-I_992, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
14

我が国の高規格幹線道路は限られた期間や費用で整備を進めるために,交通量が少ない区間は4車線のうち,2車線のみを暫定的に供用する方法を採用した.暫定2車線区間は大半がラバーポールと縁石による簡易分離であり,正面衝突事故が起きた場合は重大事故に至りやすい.寒地土木研究所では,2車線道路の正面衝突事故を防ぐために,支柱が細く,設置幅が少ない緩衝型のワイヤロープ式防護柵を開発した.本稿は,高規格幹線道路暫定2車線区間の中央帯にワイヤロープ式防護柵の導入を検討するため,暫定2車線区間の道路構造を試験道路で再現し,大型車のすれ違い走行試験や試験参加者の主観評価を行い,さらに,車両衝突時のはみ出し量を低減させるロープ連結材の開発について報告するものである.
著者
寺崎 寛章 齊田 光 藤本 明宏 山元 謙侑 鈴木 遥介 福原 輝幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_937-I_942, 2019

<p> 本研究では兵庫県北近畿豊岡自動車道路の円山川に架かる市御堂大橋を対象に,河川水熱を用いた無散水融雪(低温無散水)システムの伝熱性能を明らかにすることを目的として各観測を行った.長期観測では舗装温度,河川水温,貯水槽内水温および放熱管出入口水温を,短期観測ではそれらに加えてサーマルマッピングを行った.その結果,(1)外気温が6.7℃以下の時には本システムを導入した橋梁部舗装温度は土工部の舗装温度を上回った,(2)本システムにより,橋梁部では土工部と比較して路面凍結発生日数は約1/10になった,(3)本システムにおいて,河川水熱の約20%が路面の加温に消費されていた,(4)システム稼働期間における橋梁部の1時間当たりの温度低下は土工部よりも2倍程度遅い.</p>
著者
齊田 光 平澤 匡介 高橋 尚人 石田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1013-I_1022, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
11

路面において日陰となる時間(日陰時間)が長い区間では,路面凍結や積雪などが生じやすいため冬期の交通事故発生率(事故率)に影響を及ぼしている可能性がある.そこで本研究では,日陰時間と事故率の関係について,札幌市内の一般国道を対象として検証を行った.検証の結果,冬期は日陰時間が長い地点で事故率が大きくなる傾向にあり,冬期の日陰時間増に伴う事故率の増加率は夏期の約2倍であった.また,この傾向は交差点区間で顕著であり,冬期の日陰時間増加に伴う事故率の増加率は夏期の4倍以上に達することが明らかとなった.