著者
馬場 謙治 荻野 敏 松本 達始 石田 稔 柴田 忠良
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.563-571, 1993-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
36
被引用文献数
1

ラット腹腔肥満細胞を用いて, ヒスタミン遊離に対する温熱の影響について検討した。ヒスタミン遊離刺激物質としては, DNP-Asを抗原とする特異的刺激とcompound 48/80, substance-Pなどの非特異的刺激を用いた。43℃, 10分から15分問の温熱処理により, ラット肥満細胞からの特異的および非特異的刺激によるヒスタミン遊離は抑制され, その効果は5時間以上持続する結果が得られた。
著者
荒井 泰道 松本 純一 小田 島博 近藤 忠徳 関口 利和 石田 稔 小林 節雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.1439-1445_1, 1982

急性回腸末端炎はYersinia enterocoliticaやアニサキスの感染によって発症することがしられている.しかし多くは原因不明の疾患である.著者らはYersinia enterocoliticaの検出された1例を含めて4例の急性回腸末端炎を経験した.4例とも発熱,右下腹部痛,下痢を主訴として来院した.急性期の内視鏡所見は回腸末端部に不整形の潰瘍やびらんの形成がみられ,1例ではあるがいわゆるcobble stone像を示した.回復期に入ると潰瘍やびらんは消失し,粗大結節状あるいは微細顆粒状の隆起性病変を認めた.生検によって炎症性細胞浸潤とリンパ濾胞の形成がみられたことから,それらはリンパ濾胞の増殖によるものと考えられた.経過とともに隆起性病変も消失することが認められた.急性回腸末端炎の急性期内視鏡所見及び内視鏡的に経過観察を行なった文献はみられていないように思われ意義あるものと考え報告した.