著者
山内 庄司 中西 重康 石谷 清幹
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.47, no.416, pp.693-702, 1981

蒸発管内密度波振動(流れ逸走を含む)の安定限界に対し, 各種因子が及ぼす効果について, 広範囲に解析的に検討した. 圧力降下一定の均一加熱管を対象に, 均質流モデルを用いて解析し, 7個の無次元パラメータによるスケーリングが可能であることを示した. また, 基礎式を線形化, ラプラス変換して得た特性方程式を用いて, ラプラス平面の虚軸をパラメータ空間に写像(ネイマルクのD分割法)することにより, いくつかのパラメータ平面で安定限界の形状を示した. 特に線形パラメータ面上では, D分割境界線の形状に双曲線状のものとだ円状のものがあり, 前者では, 安定限界は対応する漸近線にほぼ一致することを示した. また蒸発管内流動時間と安定限界振動数との関係についても検討し, 奇数次の振動が可能なこと, 本モデルでは極端な例を除いて基本振動が最不安定であることなどを示した
著者
石谷 清幹
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.211-218, 1996-04-01 (Released:2010-05-31)
参考文献数
12

旧海軍は転換期である幕末に洋式海軍としてその前身が創出され, 明治になって本史に入り, 興隆し, 転換期である第二次大戦終結で消滅したから, その歴史には転換期の全局面が凝縮されている.この観点からの旧海軍史研究は, 現在進行中の空前の文明史的転換に対処する参考になる筈である.造機技術に注目すると, 旧海軍は世界的な大艦巨砲主義の影響下で, ボイラ, タービン, 内燃機関, 燃料燃焼, 製鉄鉄鋼, 工程管理などを, まるごと輸入からほぼ完全な自立にまで仕上げた.その技術は, 戦前戦中に海軍の直接影響下にあった設備と人材を継承した戦後の造船業, 鉄鋼業はもちろん, 電力産業や石油石炭産業などエネルギー産業, その機器製造業などにも流入している.最近, 一般には滅失したとされている旧海軍造機技術資料中心の4209点の整理事業が完了し, 渋谷文庫が成立した.これを記念し, 古い史料を使って新観点から歴史を研究する意義と方法の考察に立脚し, 今後の研究領域例として次の3例をあげた.(1) 技術発達の方向性 (2) 危機管理 (3) 技術の社会学
著者
山内 庄司 中西 重康 石谷 清幹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.47, no.416, pp.693-702, 1981-04-25

蒸発管内密度波振動(流れ逸走を含む)の安定限界に対し, 各種因子が及ぼす効果について, 広範囲に解析的に検討した. 圧力降下一定の均一加熱管を対象に, 均質流モデルを用いて解析し, 7個の無次元パラメータによるスケーリングが可能であることを示した. また, 基礎式を線形化, ラプラス変換して得た特性方程式を用いて, ラプラス平面の虚軸をパラメータ空間に写像(ネイマルクのD分割法)することにより, いくつかのパラメータ平面で安定限界の形状を示した. 特に線形パラメータ面上では, D分割境界線の形状に双曲線状のものとだ円状のものがあり, 前者では, 安定限界は対応する漸近線にほぼ一致することを示した. また蒸発管内流動時間と安定限界振動数との関係についても検討し, 奇数次の振動が可能なこと, 本モデルでは極端な例を除いて基本振動が最不安定であることなどを示した