- 著者
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萬 秀憲
砂川 隆
古元 嘉昭
- 出版者
- 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
- 雑誌
- 日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.4, pp.207-214, 1992 (Released:2010-04-30)
- 参考文献数
- 14
人工二酸化炭素浴剤浴での二酸化炭素の経皮吸収に関してウサギを用いて検討した。標識化合物として NaH14CO3 を用い, コハク酸溶液との混合により製造した人工二酸化炭素泉浴 (40℃) をウサギ腹部に適用した。適用時の二酸化炭素濃度は約50ppmであった。適用後, 経時的 (0, 5, 10, 15, 20分後) に血液及び呼気中の二酸化炭素を採取した。また, 適用20分後の主要組織中濃度も測定した。被験液適用5分後の血液及び呼気中にすでに放射能が検出され, 時間経過とともに漸次増加し, 適用20分後の血中濃度は22.0ng/g, 呼気中の二酸化炭素量は9.39μgに達した。適用20分後の主要組織中にも放射能が検出され, 適用20分後までの経皮吸収量は24.49μg, その吸収速度は244.9μg/m2/min (142.9μ1/m2/min) であった。温湯に溶解した二酸化炭素はウサギ皮膚より速やかに吸収され, ついで速やかに呼気中へ排泄されることがわかった。