著者
硯川 潤 井上 剛伸 中村 隆
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では,日常生活でのうつ熱発症予防という観点から,身体との接触面からの体熱除去で誘発される温熱生理反応の特徴抽出と,最適な冷却アルゴリズムの確立を目的とした.健常者を被験者とした温熱環境下での背部冷却実験から,発汗量の有意な減少を確認できたため,人為的な体熱除去が人体の温熱生理反応を代替できることが示された.一方で,被験者間の皮膚温のばらつきが減少したり,皮膚温と血流量の相関性が崩れるなど,体熱除去が通常の温熱生理反応の外乱となりうる現象も確認された.この結果は,代謝量や生理反応を指標として,冷却出力などをリアルタイムに調整する必要があることを示唆している.
著者
硯川 潤 井上 剛伸 中村 隆 高嶋 淳
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,近年生産技術としての応用が期待されている3次元積層造形技術を福祉機器部品の製造に適用するための,基礎的な設計手法を提案することを目的とした.積層造形で製作された造形物には,積層方向に依存した異方的な強度特性が存在することが知られており,安全利用の妨げとなっている.そこで,引張・曲げ強度試験により強度特性を系統的に把握し,さらに,既存の表面改質処理が強度特性を部分的に改善する効果を有することを確認した.また,これらの実験的に得られた知見が,実際の義手部品の強度予測に適用可能であることを確認できた.