著者
酒見 尚雄 神保 信雄 柳瀬 重靖
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, 1978

横浜港内の軟弱地盤対策について, 施工管理の状況を中心に, 設計上留意した点, 改良の効果, その問題点, 注意すべき事項, 実施した対策などについて報告されている。改良工法に対する問題点としては, (1)圧密試験による圧密降伏応力P_yが現在の土かぶり荷重より相当大きく, q_u値から考えても過圧密状態にある土と考えられたため, この強度を増加させるためにはかなり大きな荷重が必要となること, (2)圧密と強度特性との関係, (3)載荷重撤去後の強度減少に対する設計値のとりかた, (4)軟弱地盤が厚いことによるドレーン下部の粘土層の沈下に対する対処の方法等を考えることができる。施工面からの問題点及びその対策としては, サンドドレーンの砂杭用の砂の決定にあたっては最近, 良質の砂の入手が一段と困難になってきているので, これらの選定にあたっては施工性のみならず, これらの入手の難易等についても十分検討したうえでこれを決定する必要があることが述べられている。また自然圧密工法により, 地盤改良を行うことになった所は, 軟弱土が厚く堆積している区域で, ここに置換工法を用いた場合には大きな置換断面を必要とし, 工費が増大する上, 置換砂の入手に相当な困難が予想されたために, この工法が採用される結果となったことが述べられている。
著者
橋詰 文伯 神保 信雄 沼澤 秀幸
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオテキスタイルシンポジウム発表論文集 (ISSN:09137882)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.77-84, 1992

本報告は、関西国際空港株式会社の空港島建設に関連して施工の図られた、海底軟弱地盤の改良工事に関するものである。即ち、この施工工区の海底地盤は、軟弱土が厚く堆積している所であつたため、バーチカル・ドレーン式工法を適用して、この工区内の総てを改良することになつていた。そのため、この工区内の一部分について、ジオテキスタイル材で造られた、ジオ・ドレーンと称するプラスチツク・ボード・ドレーン材を用い、この地盤改良工事を実施した。その結果、この地区内の地盤は、ほぼ期待通り沈下が促進され、粘着力値の増加度合も、まず予想通り得られ、好ましい地盤改良工法であることが確認でき、これからのこの種の工事に対して、大きな期待の持てるものであることが判明した。<br>本文はこの時の施工状況や、この時実施した圧密動態観測において取得した計測結果等を取りまとめ御紹介する。