著者
梅本 充子 野崎 玲子 神保 太樹
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

平成23年度、地域在住高齢者に対して、アロマを部屋に充満させた回想法を行った。実施前後の比較では、自律神経の活性化がえられた。他は、いずれも有意な差はなかった。次に道具を使った一般的回想法を実施した。実施前後の比較では、いずれも有意な差は、なかった。平成24年度は、懐かしい匂いを用いて行った。記憶力が、実施前後有意な差が得られ改善した。平成25年度は、懐かしい音を使った回想法を実施した。実施前後、実施後2ヵ月までQOLの改善と記憶の有意な傾向がえられた。一般的な回想法で使用する懐かしい道具に音や匂いを加えることで、視覚、触覚、聴覚、嗅覚の多彩な感覚刺激が脳への刺激を高めたことが示唆された。
著者
神保 太樹
出版者
星薬科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、我が国では認知症の治療効果をはじめとして、匂いの持つ機能性(嗅ぐことによって心身に与えられる影響)に注目が集まっています。しかし、特に脳に対する機能性についてメディア等で広く知られている状態にも関わらず、匂いが脳のどのような部位に作用するかや、個々人の体質によって効果に差があるのかははっきりと分かっていません。そこで、脳機能イメージング技術を用いて匂いが脳のどのような場所に影響を与えるかを可視化しました。さらに匂いによく触れる機会がある人について、匂いが脳に与える影響が異なることも観察しました。この結果を活かし、匂いによる機能性がより有益かつ効果的に利用される為の一助となれば幸いです。