著者
新實 夕香理 塚田 トキヱ 神郡 博
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-86, 1999-03
被引用文献数
2

妊娠各期における不安の反応と程度およびその変化を明らかにし, 妊娠中の保健指導の受講状況と不安との関連を明らかにすることを目的に, 各期に合わせた保健指導のあり方を検討した.妊婦146名の各期における追跡調査より, 以下のことが見出された.1.一般不安と母性不安は正の相関を示し, 初期が高く, 妊娠の経過と伴に低くなった.2.母性不安は初期に高く, 初産婦に強く見られた.3.一般不安, 母性不安ともに30代後半以上の妊婦に強く見られた.4.初産, 経産に関わらず, ほとんどの妊婦は保健指導を受けていたが, 初期に受けている妊婦はわずかであった.5.妊娠初期の指導を強化するには, 妊娠と診断された時から個人指導を受けることを勧め, また相談窓口の存在を知らせる必要性があった.
著者
神郡 博 田中 いずみ
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-177, 1999-03

病院に働く看護婦は様々なストレスに曝され, 様々な精神保健問題に悩まされていることはよく知られている.しかし, これらの問題を扱った研究はわが国ではあまり見られないそこで我々はこの問題を明らかにするためにこの研究を計画し, 307名の看護婦を対象にかれらが経験している精神保健問題を調べ, 以下のような結果を得た.1)調査した対象者の81%は何らかの精神保健問題を経験し, そのうち5人に1人は精神的問題を持ち, 不眠や食欲不振, 抑うつなどの精神的・身体的不調を感じていた.2)また, 殆どの看護婦は精神保健問題の原因は彼等の対処方法, 仕事の能力, 職場の対人関係, および家族の問題にあると思っていた.3)若く経験の浅い看護婦はその原因を仕事にあると考え, 年配の経験のある看護婦はその原因を子供の養育にあると考えていた.4)対象者の3人に2人は看護婦として大らか, 生真面目, 社交的などの望ましい性格傾向を持っていた.そして大らかな人ほど精神保健問題の経験も少なかった.5)対象者のとっている, 精神保健問題の主な対処方法は寝る, おしゃべりをする, 本を読む, 音楽を聞く, 旅行をするであった.6)これらのことを考えると, 看護婦の仕事に影響する様々な精神保健問題の解決に当たっては, 看護婦自身の努力もさることながら, 病院が看護婦が気軽に利用できる効果的なカウンセリング機構を創り, そのニーズに応えることが重要である.