著者
福丸 大智 赤松 良久 新谷 哲也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00234, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
19

本研究では,中小河川における流域一貫の即時的かつ高精度な河川水位予測実現に向けて,深層学習を用いた河川水位予測モデルを構築し,入出力層に用いるデータの種類および入出力層の構造が異なる複数の計算条件で比較することによって,モデルの高度化について検討した.その結果,集水域内全地点の雨量および水位変化を入力層に用いて集水域内全地点の水位を同時予測するモデルにおいて,ハイドログラフの時系列全体の再現性を表すNash係数がほとんどの水位観測所で0.9以上,ピーク水位の誤差率は10%以下を示し,ピーク水位発生時刻の遅れも他の条件に比べて軽減した.したがって,このモデルを用いることにより,3時間先の流域全体の河川水位をより高精度に予測可能であることが示された.