著者
野田 茂寿 福井 圀彦
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候学会雑誌 (ISSN:03694240)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.70-75, 1958-06-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
17

Thirty six intact and hypophysectomized rats were treated with acupuncture or moxibustion, 3 times on each site: “Chukan”, “Shinchu” and “Jinyu”.Three hours after the treatment eosinophil leucocyte counts in peripheral blood, adrenal weight, adrenal ascorbic acid and cholesterol contents of the animals were determined.Results obtained were as follows.1) In the intact group, both treatments decreased eosinophil counts remarkably but adrenal weight was not significantly influenced.A considerable diminution in ascorbic acid content was seen in the group of acupuncture but a decrease in cholesterol content proved rather remarkable in the group of moxibustion.2) Even in the hypophysectomized animals following results were observed: eosinophil leucocytes decreased slightly after acupuncture, adrenal weight showed a tendency to decrease, ascorbic acid and cholesterol were diminished by both treatments, especially by acupuncture.3) From these experiments it was concluded that acupuncture was more effective to stimulate the adrenals than moxibustion under the above mentioned erprimental condition.4) The authors proved that acupuncture and moxibustion could influence the adrenals even not via pituitary.
著者
福井 圀彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.329-335, 1973-03-10

Ⅲ.上肢共同運動の分離について 片麻痺の上肢は下肢に比べて共同運動が多彩である.これは裏をかえせば共同運動を筋再教育に使い易いということであり,P.N.F. パターンの中で多く利用されていることは衆知のことであるが,ここではその細かい内容について触れようとは思わない. 改善の順調なものは特別な指導,訓練をするまでもなく,共同運動から分離動作へと移行してゆくものであるが,一部分離しかかったまま低迷する例も少なくない.したがってBrunnstromのstage 3の後半に入ったら(筆者はこれを3Bと称して,屈曲および伸展共同運動がともに可能になった状態をさし,これに対してそのどちらかが可能な状態を3Aと称している),分離動作へ移行する訓練が望ましい.
著者
福井 圀彦 木村 哲彦 滝沢 茂男
出版者
バイオフィリア リハビリテーション学会
雑誌
バイオフィリア リハビリテーション研究 (ISSN:13475568)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.27-32, 2006-03-31 (Released:2008-01-30)
参考文献数
27
被引用文献数
1

患側優先の神経筋促通法(法と略)によるリハビリテーション(リハ)を見直す必要がある.法の理論や手技は進歩に伴い,片麻痺の改善を期待させるが,診察現場で片麻痺患者を例に40年昔と現在と比較すると,診察結果は昔と変わっていない.法が治療に有効との感じを受けない.患側優先で総合的な協調運動を行う事は,運動パターンの正常化には適するとされるが,実用に繋がるまでに時間を要し,その間に健側・躯幹の廃用をきたす.健側優先の法では患側優先の場合よりも健側であるため放電による促通の効果が大きいとみられ,リハの途中で,廃用状態で臥床継続状態になってしまう患者が少なく,実用に繋がる事が多い.近年の神経幹細胞の新生力に関する研究から,神経幹細胞が,損傷部位の機能回復に役立つ事も解明され,健側優先の運動リハの持つ有効性の機序解明も期待できる.また,神経伝達物質産生細胞として,神経系リハの領域に影響を及ぼすと考察する.
著者
高見 正利 福井 圀彦
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.93-101, 1987-03-18
被引用文献数
17

床反力計を用いて歩行特性の正常範囲を求めた.加齢により歩行は60歳前後で急激に変化した.これは高齢での歩行が慎重になるためである.歩幅と歩調(ケイデンス)の減少により歩行速度は低下するが, 影響は歩幅の方が大である.歩幅は広くなる.各位相期は増加し, 特に両脚支持期の増大は立脚期を延長させ, 歩調を減少させる.床反力では, 2峰性の垂直分力が緩やかな波形となり, 前後分力は減少し側方分力は変化が少ない.性別による比較では, 女性の方が歩調と歩幅が狭く高歩調を示し, 速度は遅い.歩幅の性差は脚長差の影響が大きい.また立脚期と単脚支持期は少なかったが, 歩行周期による規格化後は性差がない.女性の床反力の各ピーク値は総体的に小さい.