著者
福井 裕美 薄木 理一郎 金田 尚志
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.139-142, 1978-06-30
被引用文献数
2

(1)フライパン上で,油を少量あるいは薄膜の状態で加熱すると,揚げ鍋等での大量の油の加熱に比べ,加熱時間が短いにもかかわらず,油の劣化はかなり激しい。(2)キャベツを実際に妙めた際には,油のみの加熱の場合ほどの劣化はみられなかったが,やはり,揚物油より劣化が著しかった。(3)薄膜状態での加熱油をケイ酸カラムクロマトグラフィーで分別したところ,グリセリドニ量体が形成されていることが確認された。特に,有毒グリセリドダイマーと思われる区分が3%程度と高く,栄養的にはあまり好ましい状態とはいえない。(4)油を薄膜で加熱すると,POV200程度まで過酸化物が蓄積することを見出した。