著者
山田 将成 福井 裕介 細井 雄一郎 牧 芳昭 藤井 博昭 中橋 亮平
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12269, (Released:2022-12-09)
参考文献数
34

【目的】脳卒中片麻痺患者1例に対し,ウェルウォークのアシスト機能を用いた高速度歩行練習がトレッドミル練習と比較し歩行速度の改善に有効か検証した。【対象および方法】対象は視床出血により右片麻痺を呈した50歳代女性である。AB型シングルケースデザインを用いて,A期はトレッドミル,B期はウェルウォークを用いた歩行練習を各8日間実施した。評価項目は快適および最大歩行速度とした。解析は各期の回帰係数を比較するとともに,標準偏差帯法によりA期の平均値+2 Standard-deviation(SD)に対するB期の上位数を二項分布で検定した。【結果】快適,最大歩行速度いずれもB期の回帰係数が大きく,二項分布の結果,B期で有意な改善を認めた(p<0.05)。練習中のトレッドミル速度はB期において高値であった。【結論】脳卒中片麻痺患者に対するウェルウォークのアシスト機能を用いた歩行練習は,高速度な練習環境の提供を可能にし,歩行速度の向上に有効な可能性が考えられる。
著者
石田 丈博 福井 裕 松田 秀喜 的場 輝佳
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.480-485, 2005-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20
被引用文献数
5

Takehiro Ishida Hiroshi Fukui Hideki Matsuda Teruyoshi Matoba The anti-oxidative effect of mirin on whole sardines and sardine fish-balls was investigated during thermalcooking. The thiobarbituric acid (TBA) values of both after cooking with mirin were lower than those cookedwith mirin-like seasoning or sugar.The TBA values after cooking with mirin or ethanol- eliminated mirin were also lower than those cooked withethanol or water.The 1, 1-diphenyl-2-picrylhydrazyl (DPPH) radical-scavenging activity of the whole sardine, its broth and itsfish-ball after thermal cooking with mirin were all higher than those cooked with mirin-like seasoning or sugar.
著者
福井 裕行
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

条件給餌ラットの給餌中止に伴うnose pokingに対して抗ヒスタミン薬の前処置は顕著な効果を示さなかった。一方我々は、弓状核尾側のc-Fos発現におけるPKCδの関与を示唆するデータを得た。以前、視床下部のPKCδを介する肝臓のglucose産生抑制が報告されていることから、我々は条件給餌ラットにおけるヒスタミン神経系を介する肝臓のglycogen代謝調節について検討した。条件給餌ラットにおいて給餌中止直後に対する、給餌中止4時間後の肝臓におけるグリコーゲン量を測定ところ、リン酸緩衝液を投与した対照群においてはあまり変化が見られなかったのに対し、抗ヒスタミン薬投与群においてはグリコーゲン量の有意な減少が見られた。このことから、ヒスタミンH1受容体(HIR)を介する肝臓のグリコーゲン分解抑制が示唆された。肝臓におけるHIRの発現は弱く、この変化は中枢のヒスタミン神経機能を反映していると考えられた。これまでに中枢ヒスタミン神経系による末梢エネルギー代謝調節機構はほとんど研究されておらず、本研究により弓状核尾側部位を介する中枢-末梢シグナル連関が初めて明らかとなることが期待される。さらに我々は、給餌中止により興奮するヒスタミン神経細胞群の同定を行った。ヒスタミン神経の細胞体が局在する結節乳頭核(TM)におけるc-Fosとヒスタミン合成酵素であるヒスチジンデカルボキシレース(HDC)との共発現について検討したところE3 subgroupのヒスタミン神経のみに顕著な興奮が見られた。本研究から、TMには各部位へと投射しその部位を介する特異な機能に関与する機能的にヘテロなヒスタミン神経細胞群が存在することが示唆された。
著者
川野 常夫 福井 裕
雑誌
摂南大学 融合科学研究所論文集 = Bulletin of the Transdisciplinary Science Research Institute, Setsunan University (ISSN:24325031)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.109-115, 2016-10-31

There are individual differences in human body sizes. When designing products, it is important to remember that people come in many sizes and shapes. For example, if we design a doorway, we would need to design using dimensions of the widest and tallest people to ensure that everyone could walk through normally. Furthermore, if we design a chair, we should make the height of seat adjustable so that many individuals could use it comfortably. This paper describes ergonomic design methods considering individual variation in human body sizes focusing “percentiles” which are statistical measures of distribution. It is common practice to design for the 5th percentile female to the 95th percentile male. The 5th percentile female value for a particular dimension usually represents the smallest measurement for design in a population. Conversely, the 95th percentile male value may represent the largest dimension. The 5th% to 95th% range accommodates approximately 90% of the population.
著者
篠原 啓子 圓藤 勝義 澤田 英司 永峰 賢一 水口 博之 福井 裕行
出版者
徳島県立農林水産総合技術支援センター
雑誌
徳島県立農林水産総合技術支援センター研究報告 = Bulletin of Tokushima Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center (ISSN:21891176)
巻号頁・発行日
no.3, pp.7-13, 2016-11

国内で流通する同年度同時期に収穫したレンコンを集め,品種・系統の由来により大別するとともに,大別したグループ毎で違いがあるのか,同一品種・系統といわれているものでも産地間で違いがあり形状が違うのか調査した。供試したレンコンは,国内の主要産地(茨城県,徳島県,佐賀県,愛知県,山口県,石川県,新潟県)の15種類で,「中国種」が6種類,「備中種」が2種類,「金澄系」が6種類,「その他」が1種類であった。肥大根茎の長さは,「備中種」が長く,「金澄系」と「その他」が短く,中国種がその中間であった。「中国種」のロータスは,徳島県産が愛知県産より長く,産地間で違いがあった。レンコンの肥大指数は,「備中種」が小さく,「金澄系」と「その他」が大きく,「中国種」はその中間であった。一方,肥大根茎の直径と肉厚比は,グループ間や産地間で違いはなかった。
著者
福井 裕行
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.1, pp.15-25, 2007-01-01 (Released:2007-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

Histamine H1 receptors are down-regulated as one step in receptor desensitization. Five phosphorylation sites of the H1 receptor seem to play a key role in receptor down-regulation. In contrast, an increase in the H1 receptor expression level following its mRNA elevation was found in the nasal mucosa in hypersensitivity model rats. Up-regulation of the H1 receptor was induced by the direct stimulation of the H1 receptor. H1 receptor up-regulation was suppressed by pretreatment with antiallergic agents.
著者
沖田 翔 尾崎 正志 上條 将吾 福井 裕晋
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.101-102, 2016

<p>NPO法人伊能社中では、地域課題解決型学習「ふくちやまモデル」を開発・実践した。地域の担い手となる若い世代が、地域の魅力・課題を継続的に発見・共有・発信できる体制の構築を目指す本モデルを、京都府・福知山成美高校での実践報告と共に紹介したい。</p>
著者
尾崎 正志 沖田 翔 上條 将吾 福井 裕晋
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.81-82, 2016

<p>特定非営利活動法人伊能社中では、2015年度に京都府福知山市でアクティブ・ラーニングの開発・実践を行った。福知山市は、頻繁に水害が発生する地域である。そのため、生徒たちが防災の取り組みを考え、防災情報を地域の住民に届ける方法を形にすることをテーマに「共有」→「課題設定」→「アイデア出し」→「プロトタイプ制作」→「テスト・検証」という5ステップの流れで実践を行った。これを地域課題解決型学習「ふくちやまモデル」と定義する。</p><p>福知山成美と伊能社中が協力することにより、生徒が徐々に主体的に動き地域のことを考えるようになり、市民や自治体の人に成果発表するとことで、生徒の向上心もみられる効果があった。</p>
著者
福井 裕輝
出版者
国立精神・神経センター
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

サイコパス群、比較対照群に対して、拡散テンソル画像;DTI)を撮像し、tract-based spatial statics(TBSS)を用いて全脳におけるfranctional anisotrophy(FA)値を調べた。サイコパス群では、前頭葉眼窩領域においてFA値の有意な低下を認めた。
著者
福井 裕行 大田 和美 山本 大助
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.289-297, 1999 (Released:2007-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

H1受容体のヒスタミン結合に関与する5つのアミノ酸残基を同定した.部位特異的変異受容体の性質の検討と受容体モデリングを組み合わせる方法はこの研究の目的の達成に非常に有効であった.H1受容体にはヒスタミンとの非結合および結合に応じて不活化状態および活性化状態が存在し,ヒスタミンの結合により第V膜貫通領域のα-ヘリクスの捻れの弛むことが活性化状態へ移行するという機構を提唱したい.H1受容体のヒスタミン結合部位はリガンドの親和性に関与する部位と受容体の構造変化と活性化に直接関わる部位とに分かれた.そして,H1拮抗薬はH1受容体のヒスタミン結合部位のうちリガンドの親和性に関与する部位においてヒスタミンと拮抗する.H1受容体のリガンド結合様式はβ2-アドレナリン受容体,ヒスタミンH2受容体のそれとは異なった.
著者
福井 裕行
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.125, no.5, pp.245-250, 2005-05-01
被引用文献数
1 1

ヒスタミンH<sub>1</sub>受容体を介するシグナルはH<sub>1</sub>受容体の発現レベルにより調節を受けることが明らかにされつつある.先ず,リコンビナントH<sub>1</sub>受容体を発現する培養細胞を用いて,H<sub>1</sub>受容体のダウン調節が明らかにされた.この機構にはH<sub>1</sub>受容体分子のリン酸化が関与することを明らかにした.そして,リン酸化部位として5ヵ所のセリンおよびスレオニン残基が明らかにされた.そのうち,<sup>140</sup>T,および,<sup>398</sup>Sの2つの部位がより重要なようである.H<sub>1</sub>受容体リン酸化にはカルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼII,タンパクキナーゼC,タンパクキナーゼG,タンパクキナーゼAなどの関与が示唆される.そして,ダウン調節にはH<sub>1</sub>受容体を介する同種ダウン調節に加えて,M<sub>3</sub>ムスカリン受容体やβ<sub>2</sub>アドレナリン受容体を介する異種ダウン調節の存在を明らかにした.異種の受容体ダウン調節は受容体分子のリン酸化が関与していないようである.それに対して,H<sub>1</sub>受容体を介するH<sub>1</sub>受容体遺伝子発現亢進による受容体アップ調節機構の存在が明らかとなった.この機構にはタンパクキナーゼCの関与が示唆される.さらに,異種のH<sub>1</sub>受容体アップ調節の存在も明らかにしつつある.アレルギーモデルラット鼻粘膜H<sub>1</sub>受容体mRNAレベルがアレルギー発作により上昇することを見いだしたが,この上昇にはH<sub>1</sub>受容体遺伝子発現の関与が示唆された.そして,H<sub>1</sub>受容体自身の刺激とそれ以外のメディエーターの関与が考えられる.また,H<sub>1</sub>受容体mRNA上昇はデキサメサゾンにより完全に抑制され,この上昇機構がデキサメサゾンの標的であることが明らかとなった.さらに,培養細胞におけるH<sub>1</sub>受容体誘発性H<sub>1</sub>受容体遺伝子プロモーター活性の上昇がデキサメサゾンで完全に抑制されることを見いだした.そして,H<sub>1</sub>受容体遺伝子には多数のイカロスサイト類似部位が見いだされた.<br>