著者
椎名 達雄 石崎 正志 福原 清司 池田 紘一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.27, pp.21-28, 1994-04-28

レーザレーダの観測データを解析する際、レーザレーダ方程式を用いるが、従来の方程式では送信光を平行光と仮定し、往路における散乱を考慮していない。しかしながら、雨や霧など天候が悪くなるに従い、大気中に浮遊する水粒子の数が多くなる。その結果、往路においても送信光の散乱が生じ、観測データに影響を及ぼすことが予想される。そこで、本研究において、送信光の散乱を考慮した新しいレーザレーダ方程式を提案し、解析を行った。その結果、雨から霧、雪へと気象状況が悪くなるに従い、送信光の散乱が大きくなることが分かった。また、送信光の散乱の様子を調べるために、霧箱による実験を行った。その結果、平行光にしたレーザ光が霧中で散乱され、広がりをもつことが確認された。以上のことから、提案したレーザレーダ方程式の適用性を確認することができた。