著者
福吉 勝男
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
no.7, pp.19-34, 2007-06-23

佐々木・金編『公共哲学』(東京大学出版会、全20巻)におけるヘーゲル理解(国家主義哲学と市民社会論)の検討後、「市民社会と公共哲学」の代表者(トクヴィル、アーレント、ハバーマス、パットナム)との関係上にヘーゲルを位置づける。
著者
福吉 勝男
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-16, 2004-01-10

現代的視点からヘーゲル家族論のもつ積極的意義と問題点および課題について検討した。まず、積極的意義として次の三点が指摘される。第1は、子どもの「自立」と「人格の自由」の重要性を強調した点である。第2は、一夫一婦制婚姻を婚姻形態の原則として確認している点である。そして第3には、「家系」の廃棄という民主主義思想を貫いている点である。次に、問題点として以下の諸点を指摘しうる。第1は、男女特性観、男性による女性支配観が鮮明にみられることである。第2は、先の男女特性観と密接に連関して、「市民社会」で職業に就く(男性たちによる)自由競争の重視ないしは偏重の考えが明確にされていることである。そして第3には、男女ともに自立した「個人」で家族を形成し、「個の自立を基礎とする共働き家族」と言い表わされる「現代家族」の視点が欠如している点である。こうした問題点からしたがって、今日私たちが家族論を検討するさいに重要な課題として考えなければならないことは、男女が共同してともに「家庭」にも「社会」にも参画しうる社会(「男女共同参画社会」)の推進に向けて、どのような内容の家族・社会政策を要求し、そしてそれをいかにして実現し実施していくのかということである。