著者
福屋 いずみ 舩越 咲 山根 嵩史 田中 光 森田 愛子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

これまでの研究で,被説明者の理解状況や説明対象の状況を確認することが,口頭説明のわかりやすさを高めることが示されている。本研究では,①口頭説明中に説明者が被説明者の状況を確認する条件,②説明対象である図形の状況を確認する条件,③単純に説明を繰り返す条件の3条件を設定し,2種類の状況確認発話が被説明者の理解度に与える影響を検討した。その結果,説明のわかりやすさは,説明を反復する条件においてもっとも高くなることが示された。幾何学図形の描画の正確さの得点が,いずれの条件においても高かったことから,口頭説明における状況確認の発話は全ての状況において有効なわけではなく,説明内容が容易である場合には,説明を繰り返すことで被説明者の理解が促進されることが示唆された。