- 著者
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谷口 歩美
武智 隆祐
福嶋 厚
渡邊 敏明
- 出版者
- 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.1, pp.27-37, 2008 (Released:2008-12-19)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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ビオチンは,種々の食品に広く分布している。しかし,ビオチンは五訂日本食品標準成分表には収載されておらず,食品中の含量をはじめとして,食品中での存在状態,調理や加工による変化,生体内での利用率などについて,ほとんど明らかにされていない。そこで,日常的に摂取している食品から代表的な330品目のビオチン含量を分析し,諸外国の食品中のビオチン量と比較した。今回,ビオチン分析を行った食品の中では,らっかせい,とうがらし,ぶた肝臓,にわとり肝臓,卵黄(生),インスタントコーヒー(粉末状),パン酵母(乾燥),ローヤルゼリーで50 μg/100 g以上の高値であった。また,食品群ごとでは,種実類やきのこ類,肉類(内臓を含む)で,ビオチン含量は高値であり,果実類や油脂類などにはビオチンは,ほとんど含まれていなかった。食品中のビオチン含量は,食品の種類や状態によって差異がみられたが,諸国間においても類似した結果が得られている。