著者
新光 穣 松石 邦隆 福武 将映 毛利 健太朗 井上 和音 小山 忠明 伊藤 聡子 北村 登
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.49-54, 2013-01-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
35

せん妄は心臓血管外科での手術後にしばしばみられる。本研究では,術前のstatin内服が心臓手術および大血管手術後の患者におけるせん妄の発症と相関するか否かを検討した。2011年7月1日から2012年6月30日にかけて神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科に入院し,心臓手術もしくは大血管手術を受けた324症例のカルテを後方視的に調査した。その結果,術前のstatin内服は術後せん妄のリスクを有意に低下させていた(OR=0.57,p=0.049)。その他の要因では,緊急手術,高齢,より長い手術時間において有意にせん妄のオッズが上昇した。本研究は,statinが中枢神経系への保護作用を通じて心臓手術,大血管手術後のせん妄を抑制することを示唆している。
著者
福武 将映
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

統合失調症がその病態の基底にもつ生物学的な脆弱性に着目し、その疾患感受性を担う遺伝子変異の同定を試みた。神経発達障害仮説などの従来の仮説に基づいた標的遺伝子の探索に加えて、従来の視点とは異なる手法として大規模な遺伝子発現プロファイリングが可能であるDNA chipを統合失調症死後脳に用い、その結果を基に相関解析を行った。その結果、いくつかの遺伝子多型において統合失調症との相関が見出された。