著者
小泉 圭吾 櫻谷 慶治 小田 和広 伊藤 真一 福田 芳雄 FENG Maria Q. 竹本 将
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.93-105, 2017
被引用文献数
4

近年の突発的かつ局所的な集中豪雨に伴う斜面災害に対し,現行の降雨規制基準のみでは,適切な通行止め,あるいは通行止め解除の判断が困難な場合がある.本研究では,現行の降雨規制基準の補助的指標を見出すことを最終目的とし,そのための基礎研究として小型模型スケールで上記指標の検討を行うこととした.模型斜面実験において,斜面が崩壊するまでの浸透と変形挙動を捉えた結果,本論で定義した初期擬似飽和体積含水率を超えた付近から変形が始まることが確認された.この初期擬似飽和体積含水率と変形の関係に着目することで現行の降雨規制基準の補助的指標を提案できる可能性が示唆された.今後は,模型スケールを拡大した同様の実験により,本研究結果の再現性を検証していく予定である.
著者
福田 芳雄 原田 篤也 泉 美治
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醗酵工學雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.393-397, 1973-06-25

土壌中よりDL-α-ハイドロキシニトリルを唯一の窒素源として生育する酵母を分離し, まずこの菌株GN405の菌学的性質をLodderの方法によってしらべ, Torulopsis candidaの1菌株と同定した.この菌株は種々なニトリル化合物を唯一の炭素源として利用できなかったが, アセトニトリル, プロピオニトリル, ブチロニトリル, DL-α-ハイドロキシイソバレロニトリル, DL-α-ハイドロキシイソカプロニトリルを唯一の窒素源として利用できた.DL-α-ハイドロキシイソバレロニトリルを窒素源として生育した培地からの菌体を用いて, ハイドロキシニトリル化合物に作用させ, えた生産物の元素分析, 赤外吸収分析, 施光度および融点の測定を行なった.その結果DL-α-ハイドロキシイソバレロニトリルとDL-α-ハイドロキシイソカプロニトリルよりそれぞれえられたハイドロキシ酸はL-α-ハイドロキシイソバレリアン酸とL-α-ハイドロキシイソカプロン酸であることがわかった.この反応に関与する酵素は1種のニトリラーゼと考えられる.酵素は基質に対して誘導的に生成される.アミノニトリル化合物には作用しない.