著者
秋元 治朗
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.475-485, 2020 (Released:2020-07-25)
参考文献数
31

脳腫瘍外科医の関心は, 腫瘍本体の病理像とともにその切除断端の病理である. その意味で, 腫瘍と正常脳との境界 (brain tumor interface : BTI) の病理に精通することは, 手術戦略の策定, 摘出限界の把握, 術後補助療法の選択, 予後推定など, 臨床的な示唆に富む. 本稿では, まずBTIにおける正常脳の反応像を示し, その後, 代表的脳腫瘍のBTIの病理像を示した. 髄内腫瘍はその多寡はあるが, 腫瘍細胞の浸潤が認められる. 一方, 多くの髄外腫瘍は基本的に境界明瞭だが, 悪性髄膜腫では特異な浸潤パターンを示す. 術前画像や術中では捉えられないBTIの病理像を知ることは, maximum safe resectionの達成に多くの示唆を与えるものと思われる.
著者
馬原 孝彦 秋元 治朗 羽生 春夫 清水 聰一郎 宮澤 啓介 橋本 孝朗 赫 寛雄 織田 順
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

筋萎縮性側索硬化症脊髄前角細胞での14-3-3白eta isoform発現を確認し、リン酸化TDP43との共局在も確認した。リン酸化TDP-43の細胞質移行と前角神経細胞死関与にeta isoformの関連を指摘。脳梗塞急性期虚血コア周辺神経細胞でのHMGB1の細胞質での局在を確認。新規脳梗塞治療法に寄与できる。対照例29例、アルツハイマー病例84例、パ-キンソン病例8例、DLB例25例の血液中HMGB1濃度をELISA法で測定。順に、5.4, 6.6, 10.7, 8.1ng/mlで有意に増加。オートファジ-関連物質Beclin1の頸動脈病変での発現を確認しオートファジ-の関与を指摘した。