著者
松田 稔 秋山 好一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.253-260, 1996-04-01
参考文献数
11
被引用文献数
6

人間が音楽をどのように認知しているかを解明するために楽曲に対する統計的性質の解明が過去に盛んに行われた。その代表的なもののなかに「主音と調性の推定」がある。これらは, 音符の出現頻度などという静的な考察により行われていることが多いが, 本稿では動的な考察, つまり音符の進行確率をもとに,「主音と調性の推定」についての推定方法を提案している。それは, 個々の音高の出現確率と次の音高への進行に関する統計量に基づいた推定法で, 日本の大衆歌曲2,777曲に対して, 音高から音高への進行可能/不可能を示す可達行列により87%, 進行確率行列との相関を用いる方法により90%程度の正答率を得ることができた。
著者
秋山 好一 松田 稔
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.915-921, 1997-12-01 (Released:2017-06-02)

古賀政男音楽作品は"古賀メロディ"として多くの人々に親しまれてきた。本論文では, 古賀メロディに共通する旋律の特徴を述べている。特徴抽出にはメロディパタンのスペクトル表現に階層的ファジィクラスタ分析を適用した。クラスタ分析において古賀メロディが集群する階層が存在した。この集群したクラスタから得られる類似関係は, 旋律輪郭の滑らかさにあることが分かった。実験結果から, 古賀メロディの特徴の一つとして, 旋律全体の滑らかさと部分旋律における滑らかさに相似関係が存在することが明らかになった。このことは, 16小節程度の旋律進行は4小節程度の部分旋律における旋律進行から予測できることを意味している。
著者
松田 稔 秋山 好一
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.8, no.12, pp.685-691, 1995-12-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
14

The nature of the Japanese favorite songs becomes to be gradually clear by the recent research works. In the subject of these research works, “Tonality and Tonic (key note)” of the music (T & T) has been attracted a great deal of attention as an important index to determine the character of music. This paper deals with tonal structure recognition method of Japanese favorite songs using information about pitch name and time-duration that appear on musical score (sample data 2, 777 pieces, 274, 737 notes). As a result, the remarkable characters were found. For example, T & T can be recognized with approximately 90 % accuracy by statistical pitch information of the music score. The time-duration dose not play an important role to infer the T & T.