著者
末松 和子 黒田 千晴 水松 巳奈 尾中 夏美 北出 慶子 高橋 美能 米澤 由香子 秋庭 裕子 島崎 薫
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

欧米豪で進む高等教育の「内なる国際化」とりわけ留学生と国内学生の正課内外国際共修に着目し、国内の実態調査、海外施策・実践比較研究、日本をはじめとする非英語圏の高等教育現場に適した国際共修教授法の開発、また国際共修の効果検証を通して日本やアジアに特化した国際共修や「内なる国際化」の在り方を明らかにするという本研究の目的に沿って、日本における国際共修の実践実態の把握、「内なる国際化」が進む海外主要国の施策および実践比較研究を通して理論構築を行い、日本やアジア独自の国際共修を考察するための基礎研究を進めた。また、発展的・包括的な国際共修カリキュラムおよび教授法を開発し、国際共修の効果検証を正課外にも拡大することで海外留学の準備や代替としての国際共修を「内なる国際化」の枠組みで捉え、その有効性の明示と政策提言を行うための準備として、論文・学会発表で基礎研究の結果をタイムリーに発信した。具体的には、文献調査やペダゴジー研究を中心とした基礎研究の成果を国内外の学会で報告し、ワークショップでは、国際共修を実践する上での授業やシラバスのデザイン、教育実践者に求められるファシリテーション・コンピテンシー、課題及びその対処法、評価、について有益な議論を展開することが出来た。ワークショップの運営についても国際共修の研究者、教育実践者より建設的なフィードバックを得ることが出来、今後の研究の発展に資する知識基盤の形成につながった。また、国内における国際共修実態調査を実施するためのパイロット事例調査も実施した。日本の高等教育機関における国際共修の実践状況と課題を明らかにするために実態調査を計画しているがその準備にも着手し、来年度の発展研究に向けた下地作りを行うとともに、本年度実施したワークショップの発展版を国内外で実施するための申請作業を集中的に実施した。