- 著者
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秋澤 孝則
中神 和清
鈴木 一
野口 英世
寺田 秀夫
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学療法学会
- 雑誌
- CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.7, pp.896-902, 1989-07-25 (Released:2011-08-04)
- 参考文献数
- 20
最近抗生物質投与に伴う副作用として出血傾向が注目されている。そこで我々は, 新しく開発されたカルバペネム系抗生物質イミペネム (IPM) と同剤の尿中回収率を高めるシラスタチンナトリウム (CS) との合剤であるチェナム® (以下IPM/CS) の, 血小板機能・出血凝固機能に対する影響について検討した。対象は肺炎10例, 肺化膿症1例の計11例の呼吸器感染症である。IPM/CSは原則として1日IPM量として1gを7日間点滴静注し, その前後で血小板数, 出血時間, 血小板粘着能, 血小板凝集能, 血小板ATP放出能, プロトロンビン時間, 活性部分トロンボプラスチン時間, 血漿フィブリノーゲン, フィブリン分解産物, トロンボテスト, 第II・VII-IX・X凝固因子を測定した。各検査結果がIPM/CS投与後で増悪した症例は認められず, このことよりIPM/CSは, 1日1g7日間程度の投与では血小板機能, 出血凝固機能に影響を与えることの無い, 安全な抗生物質であると考えられた。