- 著者
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秋穂 裕唯
中村 和彦
- 出版者
- 一般財団法人 日本消化器病学会
- 雑誌
- 日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
- 巻号頁・発行日
- vol.111, no.7, pp.1353-1358, 2014-07-05 (Released:2014-07-05)
- 参考文献数
- 32
過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)の薬物療法について概説した.薬物療法は食事と生活習慣を指導した後に,消化管主体の治療を行う.第1選択薬としてプロバイオティクス,高分子重合体,消化管機能調整薬を使用する.症状の改善が不十分な場合は,症例ごとに優勢な症状に対して止痢薬,抗コリン薬,下剤などの薬物を追加する.また5-HT4刺激薬,抗アレルギー薬,漢方薬,抗うつ薬,抗不安薬も治療効果を有する.近年有効性の高い男性下痢型IBSに対する5-HT3拮抗薬,便秘型IBSに対するCIC-2賦活剤が登場した.IBSの病態機序のさらなる解明と治療薬の開発が期待される.