著者
稲熊 良仁 岡山 雅信 古城 隆雄 原田 昌範 高木 史江 山本 令子 今野 和典 石川 鎮清 三瀬 順一 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.12-16, 2011 (Released:2015-11-25)
参考文献数
7

目的 : 全国の総合診療科の初診時問診票を分析し, 診察前に収集される医療情報を明らかにする. 方法 : 日本総合診療医学会 (現日本プライマリ・ケア連合学会) のホームページ6) に掲載された総合診療科を標榜する302施設 (2010年3月の時点) を対象とし, 問診票の提出を依頼した. 得られた問診票の形態と内容について分析を行った. 結果 : 収集した初診時問診票には共通した書式は認めなかった. 形態はA4版が58枚 (68%) で最多であり, 質問項目数は平均19.7項目であった. 研究協力施設間で共通して記載されていた問診票の分野は, 頻度が高い順に, 既往歴に関する項目が28項目 (31.8%), 生活歴に関する項目19項目 (21.6%), 患者社会情報と生殖歴が共に7項目 (8.0%) であった. 結論 : 全国の総合診療科で使用されている問診票の質的評価を行い, 医師が初診患者の診察前に求めている医療情報を推測することが出来た.