著者
名郷 直樹 浅井 泰博 三瀬 順一 高木 史江 佐々木 將人 奥野 正孝 五十嵐 正紘
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.215-220, 1998-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

目的: evidence-based medicineによるレジデント教育の効果を知識, 行動面の変化から評価する.研究デザイン: 自己および外部コントロールによる対照試験セッティング: 大学附属病院対象: 平成6年度自治医大地域医療学で研修中のレジデント15名介入法: 4回の講義と週1回の輪番制のevidence-based medicineに基づく抄録会結果の測定: 1.記述試験による試験点数の変化.2: MEDLINEによる文献検索回数の前年度までの地域医療学レジデント, 内科レジデントとの比較.結果: 4か月後の筆記試験の結果, 平均42点 (100点満点) の点数の上昇が認められ, 全レジデントにおいて点数が上昇した.内科レジデント, 前年度地域医療学レジデントに比し有意な文献検索回数の増加が認められた.結論: evidence-based medicineによる短期間のレジデント教育において, 知識, 行動の両面で好ましい教育効果が認められた.
著者
小松 隆一 高取 郁子 佐藤 峰 高木 史江 花田 恭
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.26-30, 2005

目的:ニカラグァ国グラナダ県の若者のHIV関連の問題について調査の実施を支援し、関係者に対する働きかけを行った。<br>方法:グラナダ県の中等学校在学の10代後半の生徒に性行動調査を実施した。調査参加校は教育セクターの協力により選ばれた。<br>結果:689名が調査に参加した。16歳男子では33.3%、女子は7.2%、18歳ではそれぞれ48.1%と18.5%に性経験があり、性交経験者のうち、過去1年間に性交をした割合は男子で66.4%、女子で80.0%となった。金銭授受のない性行為でのコンドーム使用は、男子の28.2%、女子の13.3%だった。<br>考察:調査結果からは、現状とニーズの情報が得られ、保健と教育セクター及び当事者である生徒代表らの討議により、保健と教育セクター間の連携促進の契機となった。行動調査は、地域住民や行政のセクターを越えた支援を得るのに有効と考えられる。今後、保健と教育の連携を促進しニーズを満たす一方、ピア・グループの能力を高め、より効果的な対策が目指されている。
著者
稲熊 良仁 岡山 雅信 古城 隆雄 原田 昌範 高木 史江 山本 令子 今野 和典 石川 鎮清 三瀬 順一 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.12-16, 2011 (Released:2015-11-25)
参考文献数
7

目的 : 全国の総合診療科の初診時問診票を分析し, 診察前に収集される医療情報を明らかにする. 方法 : 日本総合診療医学会 (現日本プライマリ・ケア連合学会) のホームページ6) に掲載された総合診療科を標榜する302施設 (2010年3月の時点) を対象とし, 問診票の提出を依頼した. 得られた問診票の形態と内容について分析を行った. 結果 : 収集した初診時問診票には共通した書式は認めなかった. 形態はA4版が58枚 (68%) で最多であり, 質問項目数は平均19.7項目であった. 研究協力施設間で共通して記載されていた問診票の分野は, 頻度が高い順に, 既往歴に関する項目が28項目 (31.8%), 生活歴に関する項目19項目 (21.6%), 患者社会情報と生殖歴が共に7項目 (8.0%) であった. 結論 : 全国の総合診療科で使用されている問診票の質的評価を行い, 医師が初診患者の診察前に求めている医療情報を推測することが出来た.