著者
稲葉 丈 沼田 宗純 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.311-315, 2015-07-01 (Released:2015-07-31)
参考文献数
2

東日本大震災では多くの自治体が,時間の経過とともに目まぐるしく変化する災害対応業務を把握できず,十分な対応ができなかった.その理由の一つとして,大規模災害発生時の被害規模を推定し,これに応じた災害対応業務量を定量的に評価するモデルが存在していないことが挙げられる.そこで本研究では,東日本大震災における各自治体の被害規模と災害対応の実績をもとに,災害時に発生する災害対応業務量を評価する「災害対応業務量の評価式」を提案した.また,各業務フローの前後関係を明らかにすることで,災害対応の時系列的変化の把握を可能とする「災害対応業務量の評価モデル」も構築した.これにより,人材配置のアルゴリズムを検討しモデルに反映することで,効率的な人材配置を具体的にシミュレーションする環境を構築した.