著者
稲葉 美由紀
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.131-142, 2009-02-28 (Released:2018-07-20)
被引用文献数
2

高齢者が身体の衰えからケアを受ける立場になることは,新たな「役割」を担うことになる.そのために新たな姿勢・知識・行動などの対処能力が必要になってくる.しかし,高齢者ケアに関する社会福祉分野での研究は,要介護側の視点に着目した研究は十分に行われていない現状にある.本研究では,介護高齢者がケアを受けることに対する思い,姿勢,言動,対処についてインタビュー調査を実施し「ケアを受ける側の役割」を明らかにするものである.調査対象者は,65歳以上で週8時間以上のケアを受けている高齢者15人と家族介護者5人へのインタビューを行い,質的データ分析を行った.今回の調査では,(1)ケアを受けることへの思い,(2)介護者への支援,(3)セルフケア,(4)FC-ICサービスの把握・利用,(5)ネットワーク構築,(6)社会参加,(7)老後生活の準備・計画の7つのカテゴリーが抽出された.今後の課題として,実践的な要介護者と介護者へのエンパワーメント志向のソーシャルワークモデルの構築を行うことが必要である.
著者
稲葉 美由紀 杉野 寿子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

私たちの日常生活は自然災害、新たなテクノロジーやグローバル化の影響を受けている一方で、様々なリソースは減少しています。そのような状況を背景に、本研究は貧困や格差の問題が深刻化している「豊かな国」において、従来の救済的・治療的な社会福祉の枠組を超えた社会開発的なコミュニティワークモデルづくりへの手がかりを模索することを目的とした。社会開発的なアプローチとして、社会企業・ソーシャルビジネス、少額融資、コミュニティガーデン、認知症カフェなどの地域を基盤とした新たな活動が展開されていることを確認することができた。研究成果は日本社会福祉学会などを含む国内外学会で発表し、論文として出版した。