著者
吉田 祥子 穂積 直裕 福田 敦夫
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

自家開発した酵素光学デバイスにより培養初期のグリア細胞からGABA放出が観察され、一方培養後期のグリア細胞でGABA放出が著しく減弱した。インピーダンス顕微鏡を用い細胞膜直下のアクチン線維の安定性によるインピーダンスの変化を非接触で観察した。抗てんかん薬バルプロ酸の投与は、初期のグリア細胞からのGABA放出を増大し、早いATP放出を示し、プルキンエ細胞樹状突起の伸長を早めた。GABA-トランスポータ系が小脳発達を制御する可能性を示唆した。バルプロ酸の作用機序とHDAC阻害剤の関係は未だ不明だが、胎生期の特定時期での遺伝子発現への介入が、GABA放出と小脳発達に影響することが強く示唆された。
著者
吉田 祥子 穂積 直裕
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

自閉症または神経変性誘発が疑われる化学物質である、バルプロ酸(VPA)、トリコスタチンA(TSA)、クロルピリホス(CPF)、リポポリサッカライド(LPS)、グリホサート (GLY)を胎生期ラットに曝露し、VPA、TSAで神経死の過剰抑制、CPF、LPS、GLYで過剰神経死を観察した。神経死は炎症性サイトカイン発現と相関があり、特にGLYでは発達依存的にサイトカインの上昇が見られた。同時に現れる小脳褶曲の変化は別の機序を持つことが示唆された。VPA曝露動物の行動はADHD様、GLY曝露動物はASD様を示した。VPA曝露へのオキシトシンの投与、GLY曝露への酪酸投与で神経発達異常が軽減した。
著者
木村 あゆみ 寺内 智 村上 義信 穂積直裕 長尾 雅行 小林 和人 西條 芳文 吉田 祥子 Kimura Ayumi Terauchi Satoshi Murakami Yoshinobu Hozumi Naohiro Nagao Masayuki Kobayashi Kazuto Saijo Yoshifumi Yoshida Sachiko
雑誌
【全国大会】平成18年電気学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
pp.141, 2006-03-15

筆者らは以前に、外科手術中に生体組織診断を無染色で行う方法として「フーリエ変換型超音波顕微鏡」の開発を行い、実用化を達成した[1]。しかし、この段階では加工切片の準備が必要であった。さらに、スライスすることにより組織の機能に損傷を与えることも懸念される。これらの理由により筆者らは新しく組織断面の局所的音響インピーダンスを画像化できる音響インピーダンス顕微鏡を提案した.音響インピーダンスは音速と密度の積で与えられるため,密度の分散が大きくないときには音速とよい相関を持つと考えられる.本報告では,音響インピーダンス顕微鏡の概念を述べるとともに,測定精度について検討する.また,応用例の一つとしてラットの小脳組織観察を行う.