- 著者
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伊藤 恵造
城野 政博
チャンダニ A.D.L.
李 継
大内 幸雄
竹添 秀男
福田 敦夫
北瓜 智哉
- 出版者
- 一般社団法人映像情報メディア学会
- 雑誌
- テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.5, pp.536-543, 1990-05-20
- 被引用文献数
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1
強誘電性液晶(FLC)の表面安定化(SS)に対して反強誘電性安定化(AFS)という概念を提案し, AFSFLCの3安定状態間スイッチングが反強誘電性第3安定状態(3)と電界により螺旋構造の解かれた強誘電性一様状態(Ul, Ur)との間で起こることを示す.配向ベクトルがUl, Urではそれぞれ±θ傾き, 3ではスメクティック層法線と平行なので, 直交ニコルで3を暗にとればUl, Urは明となる.本スイッチングの特徴は, (1)AFS状態(3)は安定で, 配向性が良好である.(2)電圧無印加時には自発分極が消失しており, SSFLCで問題となるゴースト効果が生じない.(3)見かけの傾き角-印加電圧特性に急峻な直流閾値とヒステリシスが存在し, メモリー性の付与が可能である.(4)スメクティック層が変形しやすく, 「く」の字層構造を回避できるので, コントラストが高い.(5)応答特性は印加電圧に敏感に依存し, 高速化が期待できる.(6)スイッチングに伴うドメインの発生が規則的であり, 面積階調性の付与も期待できる.などである.AFSを示すFLC材料が次々に見出されており, ディスプレイなど電気光学デバイスへ応用されつつある.