- 著者
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宮岡 健
中島 康晴
保科 隆之
松田 秀一
窪田 秀明
岩本 幸英
- 出版者
- West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.2, pp.229-233, 2012
【目的】BCG骨関節炎の3例を報告する.【症例1】1歳7カ月の女児 生後4カ月でのBCGワクチン接種後13カ月で右膝の腫脹,疼痛を生じた.右大腿骨遠位に骨端線をまたぐ骨透亮像が存在し,生検を施行.抗酸菌培養およびMultiplex PCR法にてBCG Tokyo株が同定された.化学療法に抵抗性あったため,病巣掻爬術を施行した.【症例2】10カ月の男児 ワクチン接種後6カ月で右膝関節炎発症.2回の掻爬術後にPCRにて同定された.化学療法にて治癒した.【症例3】1歳6カ月の男児 ワクチン接種後13カ月で右足関節に腫脹,疼痛出現.右距骨骨髄炎を疑い,病巣掻爬術施行.抗酸菌培養およびPCRにて診断され,術後化学療法にて治癒した.【考察】BCG骨関節炎はワクチン接種後に発生する稀な病態であるが,小児の骨関節炎では鑑別診断に挙げる必要があり,抗酸菌培養およびPCR法が診断の決め手となる.