著者
上崎 堀越 菜穂子 岡田 幸男 竹下 和子 鮫島 隆 有原 圭三
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.186-191, 2012-04-15
被引用文献数
1 1

食肉加工品における<I>L. monocytogenes</I>の増殖挙動と,非加熱食肉製品である生ハムにおけるpHおよびa<SUB>W</SUB>の<I>L. monocytogenes</I>の増殖挙動に及ぼす影響について検討した.<BR>(1) 食肉加工品における<I>L. monocytogenes</I>の増殖は,チキンナゲット,無塩漬ウインナーソーセージで速く,ロースハム,ローストビーフではやや抑えられた.これはロースハムでは亜硝酸ナトリウムが,ローストビーフでは製品pHが影響したためと考えられた.<BR>(2) ウインナーソーセージでは10°C保管で60日間<I>L. monocytogenes</I>は増殖しなかった.これは亜硝酸ナトリウム,製品pHに加え,ソルビン酸が相乗的に影響したためと考えられた.<BR>(3) 生ハムでは,現在の食品衛生法の製造基準である,「a<SUB>W</SUB>0.95未満」を「a<SUB>W</SUB>0.93以下」にすることで<I>L. monocytogenes</I>が10°C保管で60日間増殖しないことが示唆された.