著者
大江 智子 大畑 素子 有原 圭三
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.16, no.Suppl, pp.Suppl_52-Suppl_53, 2013-07-03 (Released:2013-09-27)
参考文献数
3

ネコは、マタタビに含まれるイリドミルメシンやアクチニジンなどの揮発性成分に対し、特徴的な反応を示す。本研究では、ネコが反応を示すマタタビ中の新たな成分の検出を目的とし、高真空香気蒸留法およびガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)装置を用いて検討した。マタタビの葉に含まれるモノテルペン化合物類に着目して同定したところ、7種類が検出された。このうち、ネコの反応との関係性が詳細には判明していないモノテルペン化合物で、標品として入手可能な4種類を用いて、ネコへの曝露実験を行ったところ、プレゴンで反応が確認された。
著者
椿 智佳 横山 壱成 小宮 佑介 長竿 淳 有原 圭三
出版者
全日本鹿協会
雑誌
日本鹿研究 (ISSN:21850542)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.2-9, 2022 (Released:2023-05-22)

近年、野生動物による被害、特に北海道におけるエゾシカによるものが増加傾向にあり、これらの動物は個体数維持のため捕殺される。一方、狩猟によって得られる野生動物の肉をジビエとして利用する動きが拡大している。エゾシカにおける新たな食肉としての価値を高めるため、その理化学特性と嗜好性の検討を行った。エゾシカ肉のドリップロスおよび高温加熱時のクッキングロスは牛肉と比較して有意に多かった。味覚センサによる呈味性比較の結果、エゾシカ肉は先味であるうま味の数値が低く、後味であるうま味コクの数値が高かった。エゾシカ肉を用いたソーセージを調製し、官能評価を実施した。このとき、豚肉を配合(0、25、50、75、100%)し、その割合を検討した。その結果、香り、味、外観、総合の項目において、エゾシカ肉が25%配合(豚肉75%)されたソーセージを好ましいと選択したパネリストが最も多かった。また、GC/MS 装置を用いたエゾシカ肉の加熱香気成分分析の結果、エゾシカ肉からアセトインやアセトアルデヒドが検出された。
著者
有原 圭三
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
乳酸菌研究集談会誌 (ISSN:21870438)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.74-76, 1994-03-31 (Released:2012-09-24)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
上崎 堀越 菜穂子 岡田 幸男 竹下 和子 鮫島 隆 有原 圭三
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.186-191, 2012-04-15
被引用文献数
1 1

食肉加工品における<I>L. monocytogenes</I>の増殖挙動と,非加熱食肉製品である生ハムにおけるpHおよびa<SUB>W</SUB>の<I>L. monocytogenes</I>の増殖挙動に及ぼす影響について検討した.<BR>(1) 食肉加工品における<I>L. monocytogenes</I>の増殖は,チキンナゲット,無塩漬ウインナーソーセージで速く,ロースハム,ローストビーフではやや抑えられた.これはロースハムでは亜硝酸ナトリウムが,ローストビーフでは製品pHが影響したためと考えられた.<BR>(2) ウインナーソーセージでは10°C保管で60日間<I>L. monocytogenes</I>は増殖しなかった.これは亜硝酸ナトリウム,製品pHに加え,ソルビン酸が相乗的に影響したためと考えられた.<BR>(3) 生ハムでは,現在の食品衛生法の製造基準である,「a<SUB>W</SUB>0.95未満」を「a<SUB>W</SUB>0.93以下」にすることで<I>L. monocytogenes</I>が10°C保管で60日間増殖しないことが示唆された.