著者
平尾 明子 竹下 秀俊 岡本 聡 大木 英司 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.2, pp.99-109, 2014-02-01

ネットワークのトラヒック量の増大に伴い,ネットワークの消費電力量が急増し,消費電力の削減が急務となっている.また,ネットワークのリソースを有効に活用するために多対多接続サービス実現への要求が増加している.本論文では,ネットワーク中のトラヒックを特定リンクに集約することで,空となった未使用リンクをスリープ状態にし,ネットワーク全体の消費電力を削減するMiDORiネットワーク技術における多対多対応ルーチング手法としてSuperPosed Minimum Spanning Tree (SPMST)アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは,多対多接続MiDORiネットワークにおける要求条件である,高い省電力性実現,20秒以内での100ノード以上かつ,1000マルチキャストグループ以上対応の計算実行を満たす.計算機シミュレーションにより,提案するアルゴリズムの省電力性・計算時間・マルチキャストグループ収容数の有効性を示すとともに,MiDORiネットワークのプロトタイプシステムにおける提案アルゴリズムの有効性を検証した.
著者
佐藤 丈博 樋口 雄紀 竹下 秀俊 岡本 聡 山中 直明 大木 英司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.7, pp.474-485, 2014-07-01

インターネットやモバイルネットワークにおけるトラヒック量は近年急激な増加を見せており,伝送容量拡大によるネットワーク機器の消費電力増大が問題となっている.そこで,複数のネットワークサービスを単一物理網上で提供し,トラヒック収容効率の向上及び省電力化を実現する次世代光メトロ・アクセス融合型ネットワーク「エラスティック光アグリゲーションネットワーク(EλAN)」が提案されている.EλANでは局側装置であるOLTがプログラマビリティをもち,論理OLTを異なる物理OLT間や局舎間で自由にマイグレーションすることが可能になる.本論文では,EλANの省電力化を目的とした論理OLTのマイグレーション手法を提案する.具体的には,稼働する物理OLT数が最小となる論理OLTの配置,及びその配置に至るマイグレーション手順を得ることを目的とした最適化問題を線形計画問題としてモデル化し,物理OLTのスリープ率及びマイグレーションの実行回数について性能評価を行った結果を述べる.また,EλANのプロトタイプシステム上で行った論理OLTのマイグレーションの基本動作の確認について報告する.