著者
竹久 達也 野川 裕記 森井 昌克
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2011 論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.337-342, 2011-10-12

仮想化技術は,仮想マシン(VM)を管理するソフトウエアとその関連ソフトウエアにより実現される.仮想化技術の利用者が,仮想マシン(VM)を利用する際,利用している仮想マシンモニタ(VMM)が信頼できるかどうかを検証する手段はない.仮に,悪意のあるサービス提供者が改ざんしたVMMを提供し,そのVMMの上で利用者がVMを動作させた場合,ユーザの意図しない情報流出が発生する可能性がある.本論文では,VMMにおいてVMのAESの暗号鍵を盗むことが可能であることを示し,さらに,暗号鍵盗難の対処法について述べる.
著者
飯島 涼 南 翔汰 シュウ インゴウ 竹久 達也 高橋 健志 及川 靖広 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.17-24, 2018-10-15

市中で販売されている音声認識装置の多くは,人が発生した肉声のみならず,ダイナミックスピーカや,超音波を用いた指向性スピーカから再生される音声にも反応することが知られている.肉声ではない音声信号に反応することを悪用し,なりすましやリプレイ攻撃等の様々な攻撃が可能となる.本論文では,超音波を用いた高度な音声攻撃を提案する.鍵となるアイディアは変調した超音波を搬送波と側帯波に分離して放射することであり,2 つの波を標的のマイクに一致する点で交差させることにより,可聴音が聞こえる範囲を極小化する.その攻撃を X (Cross) - Audio Attack と名付け,その特性と有効性を主観評価実験により評価する.また,このような音声認識デバイスを標的にした攻撃への汎用的な対策手法として,超音波から発生する音声,ダイナミックスピーカが発生する音声,および人間の肉声を見分ける識別器,Voice Liveness Detector を提案する.作成した識別器の性能評価を行い,これまでに提案された音声認識への攻撃全てを検知でき,かつ高精度で攻撃検知が可能であることを示した.
著者
井沼 学 大塚 玲 峰村 淳 稲富 康朗 竹久 達也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.7, pp.588-599, 2012-07-01

キャンセラブル・バイオメトリクスと遠距離型(アクティブ型)のRFIDシステムを組み合わせることで,高い利便性を有し,かつ,生体情報の漏えいに耐性のある安全な認証システムを低コストで実現することが可能となる.例えばRFIDシステムと適切な虹彩読取装置があれば,利用者にストレスを与えることのないウォークスルーやハンズフリーで認証可能なキャンセラブル・バイオメトリクス認証システムへの展開が期待できる.しかしながら,リーダと通信可能なRFIDタグがリーダの周囲に多数存在する場合は,その中から生体情報を提示したユーザのタグを絞り込まなければならない.さもないと,数多くのタグに対してバイオメトリクス認証プロトコルを実行しなければならず,処理時間の大幅な増大を招いてしまう.この問題を解決するために,本論文では,認証プロトコルを実行する前に,あらかじめ認証に成功する確率の高いタグを特定するプロトコル(タグフィルタリングプロトコル)を提案した.
著者
竹久 達也 廣友 雅徳 伊沢 亮一 森井 昌克 中尾 康二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.206, pp.119-124, 2009-09-17
参考文献数
9

近年,インターネット上での各種サイバー攻撃の数が増加しており,サービス提供者および利用者にとって大きな脅威となっている.インターネット上でリモートアクセスVPNサービスを提供する場合,サービス提供サーバはDoS攻撃を初めとするサイバー攻撃に晒されることになる.このような攻撃への対策としてサービス提供サーバの着信ポート番号を特定不能にすることが有効である.筆者らはサービスの着信ポート番号を動的に変更するリモートVPNについて検討し具体的な実装方式を提案した.本稿では筆者らが提案したポートランダマイズドVPN方式の性能を評価することにより有効性および実現可能性を示す.