著者
藤社 勉 竹元 伸之 甲斐 敏弘 岡本 秀樹 小西 文雄 山田 茂樹
出版者
自治医科大学
雑誌
自治医科大学医学部紀要 (ISSN:13488198)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.113-117, 2003-12-01

症例は,65歳女性。左側乳房腫瘤を主訴に近医を受診し,乳癌を疑われ精査目的に当センターを受診。来院時,左側乳房AB領域に径3.4cm大の腫瘤を触知した。穿刺吸引細胞診で角化を伴う悪性腫瘍細胞塊を認め,扁平上皮癌と診断し,胸筋温存乳房切除術(Bt+Ax)を施行した。病理組織検査では,扁平上皮癌が主体で,一部乳頭腺管癌も認め,腺癌からの扁平上皮化生によって生じた混合型の乳腺扁平上皮癌と考えられた。ホルモンレセプター(ER,PgR)はともに陰性であった。乳腺扁平上皮癌は,乳癌取扱い規約では特殊型に分類され,その頻度は0.1%前後と比較的稀な疾患とされる。以上の症例に対し,若干の文献的考察を加えて報告する。
著者
竹元 伸之 小檜山 律 松浦 克彦 岡野 良 倉富 雄四郎
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.79-83, 1996-01-25

肺癌の気管支形成術後の吻合部狭窄に対し, バルーン拡張とNd-YAGレーザーを併用し良好な結果を得た。症例は57歳, 男性。左上大区入口部の扁平上皮癌に対し, ほぼ4/5周にわたる気管支楔状切除を伴う左上葉切除術を施行。術後46日目に吻合部が屈曲と肉芽増生および分泌物貯留によるほぼ完全な閉塞を来たし, それによる肺膿瘍・無気肺のため緊急入院となった。理学療法・抗生剤治療後, 高耐圧の血管拡張用バルーンを用いた拡張術を2回, その後Nd-YAGレーザーによる肉芽焼灼を3回(計3669J)施行し気道の開存をはかった。1ヵ月で肺膿瘍・無気肺は軽快し現在(術後18ヵ月)に至っており, 両者の併用は非常に有効であった。